『イリヤッド』におけるネアンデルタール人(4)
まだ日付は変わっていないのですが、8月29日分の記事として掲載しておきます。前回
https://sicambre.seesaa.net/article/201208article_18.html
の続きです。
93話「“冥界の王”の墓」の後は、しばらくネアンデルタール人についての言及はなく、次は112話「柱の王国」
https://sicambre.seesaa.net/article/200701article_4.html
となり、もう物語も終盤を迎えています。もっとも、ここでは直接ネアンデルタール人について言及されているのではなく、「アダムの末裔」という新興宗教の熱心な信者だったオコーナーがドイツ旅行の後に脱会しており、そのドイツ旅行の間に、ネアンデル渓谷(ネアンデルタール人骨が発見され、その名前の由来となった場所として有名)を訪れていることが、デメルから説明されています。
この話は、118話「共闘」
https://sicambre.seesaa.net/article/200704article_6.html
にてオコーナー自身から語られています。ネアンデル渓谷でオコーナーに声をかけてきたグレコ神父は、最初に発見されたネアンデルタール人の骨を考古学者が「山の老人1号」と呼んでおり、秘密結社の通称は「山の老人」だが、「山の老人の記憶を消し去る結社」と呼ぶべきだろう、とオコーナーに語ったのでした。さすがに終盤のここまでくると、かなり核心に近づいてきます。
この後、121話「彼らは夢を見る」
https://sicambre.seesaa.net/article/200705article_19.html
122話「すべての謎 最後の謎」
https://sicambre.seesaa.net/article/200706article_6.html
123話(最終回)「アトランティスの夢」
https://sicambre.seesaa.net/article/200706article_22.html
にて、ネアンデルタール人と呪われた秘密との関係がかなり明かされるのですが、それでも不明なところは少なくなく、そうした謎についての私見は、まとめサイトにて述べました。
http://www5a.biglobe.ne.jp/~hampton/iliad004.htm
ここまで4回にわたって、『イリヤッド』におけるネアンデルタール人に関する言及について述べてきましたが、読み始めた当初は、ここまでネアンデルタール人が作中最大の謎に関わってくるとは、まったく予想していませんでした。創作アトランティスものにおいて、ネアンデルタール人を絡めているものがどれだけあるのか、不勉強な私はまったく知りませんが、秘密結社が隠ぺいしようとする人類最大の禁忌にネアンデルタール人を絡めるというのは、それほど一般的ではないというか、あるいは『イリヤッド』の独創なのかもしれません。
正直なところ、それが成功したかとなると、謎解きに曖昧なところが少なくなかったことや、推測される人類最大の禁忌が、無神論者に近そうなレームも驚愕させるようなものではなさそうなことも含めて、むしろ足枷になった側面が多分にあったかもしれません。ただ、本書の連載完結後に、ネアンデルタール人と現生人類との交雑の可能性がきわめて高いと考えられるようになったり、作中ではクロマニヨン人の発明とされている洞窟壁画が、今年になってネアンデルタール人所産の可能性も本格的に論じられるようになったりしたことなど、ネアンデルタール人に関する新たな知見を取り入れれば、もっとそれらしい禁忌を創れるのではないかな、とも思います。
https://sicambre.seesaa.net/article/201208article_18.html
の続きです。
93話「“冥界の王”の墓」の後は、しばらくネアンデルタール人についての言及はなく、次は112話「柱の王国」
https://sicambre.seesaa.net/article/200701article_4.html
となり、もう物語も終盤を迎えています。もっとも、ここでは直接ネアンデルタール人について言及されているのではなく、「アダムの末裔」という新興宗教の熱心な信者だったオコーナーがドイツ旅行の後に脱会しており、そのドイツ旅行の間に、ネアンデル渓谷(ネアンデルタール人骨が発見され、その名前の由来となった場所として有名)を訪れていることが、デメルから説明されています。
この話は、118話「共闘」
https://sicambre.seesaa.net/article/200704article_6.html
にてオコーナー自身から語られています。ネアンデル渓谷でオコーナーに声をかけてきたグレコ神父は、最初に発見されたネアンデルタール人の骨を考古学者が「山の老人1号」と呼んでおり、秘密結社の通称は「山の老人」だが、「山の老人の記憶を消し去る結社」と呼ぶべきだろう、とオコーナーに語ったのでした。さすがに終盤のここまでくると、かなり核心に近づいてきます。
この後、121話「彼らは夢を見る」
https://sicambre.seesaa.net/article/200705article_19.html
122話「すべての謎 最後の謎」
https://sicambre.seesaa.net/article/200706article_6.html
123話(最終回)「アトランティスの夢」
https://sicambre.seesaa.net/article/200706article_22.html
にて、ネアンデルタール人と呪われた秘密との関係がかなり明かされるのですが、それでも不明なところは少なくなく、そうした謎についての私見は、まとめサイトにて述べました。
http://www5a.biglobe.ne.jp/~hampton/iliad004.htm
ここまで4回にわたって、『イリヤッド』におけるネアンデルタール人に関する言及について述べてきましたが、読み始めた当初は、ここまでネアンデルタール人が作中最大の謎に関わってくるとは、まったく予想していませんでした。創作アトランティスものにおいて、ネアンデルタール人を絡めているものがどれだけあるのか、不勉強な私はまったく知りませんが、秘密結社が隠ぺいしようとする人類最大の禁忌にネアンデルタール人を絡めるというのは、それほど一般的ではないというか、あるいは『イリヤッド』の独創なのかもしれません。
正直なところ、それが成功したかとなると、謎解きに曖昧なところが少なくなかったことや、推測される人類最大の禁忌が、無神論者に近そうなレームも驚愕させるようなものではなさそうなことも含めて、むしろ足枷になった側面が多分にあったかもしれません。ただ、本書の連載完結後に、ネアンデルタール人と現生人類との交雑の可能性がきわめて高いと考えられるようになったり、作中ではクロマニヨン人の発明とされている洞窟壁画が、今年になってネアンデルタール人所産の可能性も本格的に論じられるようになったりしたことなど、ネアンデルタール人に関する新たな知見を取り入れれば、もっとそれらしい禁忌を創れるのではないかな、とも思います。
この記事へのコメント