大相撲名古屋場所千秋楽

 白鵬関と日馬富士関が千秋楽にて全勝で対戦するという、たいへん盛り上がる展開となりましたが、昨日の結びの一番で、稀勢の里関の立会いにも問題があったとはいえ、白鵬関が立会いの変化で勝利したことと、立会い前に興奮した様子を見せたことは残念でした。昨日のNHKの中継で、千秋楽での全勝対決は29年振りという解説があり、そんなに前のことだっただろうか、と一瞬怪訝に思ったものですが、すぐに思い起こしてみると、私がリアルタイムで観戦した千代の富士関と隆の里関の千秋楽での全勝対決は1983年秋場所でのことで、もう30年近く前のことになります。それだけ私も年をとってしまったのだなあ、と愕然とする事実でした。

 大相撲が15日制になって以降、千秋楽での全勝対決は過去4回ありましたが、いずれも横綱同士によるもので、横綱と大関による千秋楽全勝対決は今回がはじめてとなります。このような場合、大関のほうがより気楽にとれそうなので、今場所の勢いからして、日馬富士関が有利ではないかと予想していたのですが、白鵬関も、初日などで危なさを見せたものの、次第に調子を上げてきており、13日目の把瑠都関戦では力強さと上手さを見せて、場内は大いに盛り上がりました。把瑠都関相手にがっぷり四つになって力負けせずに勝てる力士となると、現時点では白鵬関くらいでしょう。

 結びの一番は、千秋楽全勝対決ということで立会い前に大いに盛り上がりましたが、立会いの変化などあっけない決着になると嫌だなあ、と思っていたところ、日馬富士関が素早い動きで有利な体勢をつくり、速攻で白鵬関を寄り切って勝ち、長い攻防とはならなかったものの、まずまず楽しめました。日馬富士関なとっては初の全勝優勝となりましたが、朝青龍関・白鵬関以外の全勝優勝は16年前の貴乃花関以来となります。日馬富士関は来場所横綱昇進に挑むことになりますが、白鵬関が調子を取り戻してきた感がありますし、2場所連続の優勝は難しいでしょう。

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