イクチオステガの移動様式

 イクチオステガの移動様式についての研究(Pierce et al., 2012)が公表されました。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用ですが、遊泳から歩行への移行は漸進的だった可能性が高そうとのことです。もっとも、移動様式の進化のより詳細な推定のためには、今後さらなる化石の発見が必要になるでしょう。なお、このブログでは以前、イクチオステガが幼体期には多くの時間を水中で過ごし、後年は陸上に移動する可能性を指摘した研究(関連記事)と、イクチオステガに類似した最初期の陸生脊椎動物(四肢動物)の足跡化石についての研究(関連記事)を取り上げています。

進化:岸辺をはいずっていたイクチオステガ
 初期の四肢類イクチオステガ(Ichthyostega)は、頑丈な胸郭、水平方向よりも上下方向の動きに適応した脊椎、および歩行には不向きと思われるひれ状の四肢という独特の骨格を有しているため、その移動様式は謎に包まれている。新しい研究で、イクチオステガの化石に基づいて四肢の関節の可動性が三次元的に再現され、コンピューターによるモデル化が行われた。そのモデルは、イクチオステガが四肢を歩行の形式では動かせなかったことを示唆している。イクチオステガは、アザラシに見られるような動き方で陸上をはいずっていたらしい。このことは、遊泳から歩行への移行が漸進的な過程であったことを示唆している。



参考文献:
Pierce SE. et al.(2012): Three-dimensional limb joint mobility in the early tetrapod Ichthyostega. Nature, 486, 523–526.
http://dx.doi.org/10.1038/nature11124

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