大河ドラマ『独眼竜政宗』再放送中

 先週より時代劇専門チャンネルで1987年の大河ドラマ『独眼竜政宗』が放送されているのですが、
https://sicambre.seesaa.net/article/201203article_27.html
現在第8回まで放送済で、その第8回にて政宗が輝宗から伊達家の家督を譲り受けて当主となり、それに伴って政宗も成人役の渡辺謙氏に交替となりました。この第8回にて秀吉もはじめて登場することになり、その意味でも注目すべき回となりました。

 全話の視聴となると25年振りなので、さすがに忘れていた場面も多いのですが、視聴前に思っていたよりも、音楽も含めて記憶に残っていました。私が『独眼竜政宗』をリアルタイムで全話視聴したのは中学生の頃で、当時はかなり熱中していたことを覚えていますが、今見てもやはり面白く、よくできたドラマだと思います。政宗が家督を継承する前までの伊達家は、本放送当時にはよく知られていなかっただろうと思うのですが、知名度の低そうな人物についても、自然な感じの会話で説明するような工夫がなされており、一般向け娯楽作品として丁寧な作りになっていると思います。

 第8回まで視聴して、当時と今とで印象が大きく変わったのが輝宗で、今回の視聴で厳しくも愛情深い父親であることが強く印象づけられました。中学生の頃も、そのように思っていたかもしれませんが、その点について感銘を受けるというか強く印象煮残ることはありませんでした。中学生で視聴するのと40歳目前で視聴するとのでは、やはり色々と感じ方も変わってくるのでしょう。政宗の師である虎哉宗乙には、当時も今も強烈な印象を受けましたが、高僧である虎哉宗乙は、学識・人格ともに優れている浮世離れした人物ではなく、俗っぽいところがあるように描かれているのがよいと思います。

 他に当時と今とで印象が大きく変わったのは少女時代の愛姫ですが、容貌への印象が変わったわけではありません。少女時代の愛姫を演じたのは十代前半の頃の後藤久美子氏で、本放送当時はすごい美少女ということで話題になったのですが、今見ても、十代前半の頃の後藤氏はなんちゃって美少女ではなく本物の美少女だと思いますし、後藤氏のブレイクが現在まで続く全日本国民的美少女コンテスト開催の契機になったことにも納得です。余談ですが、日本のマスコミは美人・美少女という言葉を乱発する傾向にあり、うんざりさせられることがあります。

 それはともかくとして後藤氏についてですが、本放送当時はさほど気にならなかったのに、今回の視聴で気になったのは演技力で、あまりにも下手なのには閉口してしまいました。とくに政宗との場面は、少年時代の政宗役の方もさほど上手くないということもあり、すっかり学芸会になっていました。このブログで何度か述べたことがあるのですが、
https://sicambre.seesaa.net/article/200902article_2.html
https://sicambre.seesaa.net/article/201106article_10.html
大根役者でも、演技力が水準以上の人との演技は、壊滅的なものになる可能性が低くなる一方で、大根役者同士の演技となると、壊滅的なものになる可能性が高くなります。本放送当時は、愛姫・政宗ともに私と同年代の役者が演じていて感情移入していたので、演技力についてあまり気にならなかったのかもしれません。

この記事へのコメント

みら
2012年04月08日 01:29
こんばんは
昔の大河ドラマは幼少期子役の話題性も今程重要とされておらず、この後藤久美子あたりから、子役のスター性も高視聴率の要としてしまい、内容重視から視聴率重視に変わってしまった、 大河ドラマの質を低下させる要因となったのだと思います。
確かに「コレぞ本物」といえる美しさでした。
輝宗は、疱瘡で片目を失ってはいても、その気性の強さを持つ政宗は確実に伊達家当主の器であると最初から見込んで大きな期待を寄せていたのだと思いますし、この時点では小さな所領の当主でしかない、しかし東北の厳格な家風の伊達家は世襲制にこだわりがあったのだと思います。父の屍を踏んでゆけ的な…教育方針で、父を超える武将にならせる為に幼い政宗に父を銃で撃たせるシーンは、当時泣きながら見た程鮮烈でした。
また、北大路欣也が役者としての絶世期だった事も良作となったのだと思います。
この後登場する秀吉の勝と、家康も最盛期で実に名優揃いの作品でした。
まあ…勝はこの頃大麻パンツ事件でプライベートでも大物ぶりを発揮していましたね。
伊達家瑞鳳殿では、政宗の墓の周囲に自害した重臣たちの墓がとり囲まれているのも、戦国の世の名家であった事が読みとれます。
少し離れて低い土地には伊達家ゆかりの人々の墓が並び、仙台の英雄は一族全てを引き連れ眠りについている、またそう手厚く葬る事を人々は誇りを持っている事に、政宗の偉大さを思いました。

また、伊達家は小さな所領
みら
2012年04月08日 01:41

消し残し失礼。

今日は近所の桜まつりに言ったのですが、真冬みたいな寒さでした。
日本の四季は、コレから少し変わるのかなと…思う程、桜は咲いておらず、満開はメインエリアのみ…何だか不安な気象状態です。
今、空は凄い雲が覆っていて、何だか今週は関東に地震が多くなりそうな予感が…。
それでは、きょうは清盛を楽しみにしつつ…おやすみなさい。
2012年04月08日 19:34
輝宗の最期は、政宗毒殺未遂事件・秀吉と政宗の初対面の時と並んで、この作品の見どころでした。

さすがに平均視聴率が大河ドラマ史上最高というだけあって、当時通っていた中学でもよく話題になりました。

今の職場では、残念ながら『平清盛』はまったく話題になっていません。
みら
2012年04月09日 00:40
こんばんは

政宗毒殺事件‼
ありましたね、トリカブトという毒がある事をこれで始めて知りました。
岩下志麻は大好きな女優さんなのですが、嫌な母親役がピッタリでしたね~。このシーンも両者の演技に引き込まれてハラハラしながら見ていたのを良く覚えています。
と、同時に母に毒を盛られた政宗の心痛を考え気の毒で、あんまりだーと、私も悲しくなったものです。
そういえば、今日はトリカブトを食べて死亡した事件がありましたね。
『平清盛』に限らず近年の大河ドラマって、劉さん以外では話題になりませんょ笑。
私の周囲で見てる人はいません、残念です。

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