大河ドラマ『平清盛』第17回「平氏の棟梁」
チーフプロデューサーによると、今回から第二部とのことで、
http://www9.nhk.or.jp/kiyomori/special/iso/index.html
いよいよ清盛が棟梁となり、どのように変わってくるのか、という点にも大いに注目していたのですが、正直なところ、劇的に変わったようには見えず、妻の時子とともに、未熟な面が強調されました。これまでの描写とは整合的で自然と言えるのですが、成長という意味でもう少し変わってくるのかと思っていただけに、期待外れだった感は否めません。
それもありますが、今回は最大の見せ場となるべき歌会の場面で盛大に外してしまった感は否めず、第二部の開始ということで期待していたこともあって、大いに失望してしまいました。どうも、主人公の魅力のなさが災いしているということと、時子役の深田恭子氏の演技力とにより、本筋の伊勢平氏一門のホームドラマ場面が魅力に欠けるものになっているように思います。もっとも、生真面目な重盛といい加減な基盛との対照性など、伊勢平氏一門の人物造形をしっかりとやっているところには見どころもあったのですが、次回以降もこのような調子で続くとなると、さすがに厳しいものがあります。清三郎(宗盛)が時忠により心に傷を負ってしまったこことも気になりますが、愚鈍な人物に成長することへの伏線でしょうか。
問題の歌会の場面ですが、これまでの「はみだし者」という清盛の描写からすると、天皇家や摂関家への皮肉・批判とも受け取れるような歌(とはとても言えないような代物ですが)を詠んだことは、ある意味整合的と言えるかもしれません。しかしここは、清盛が苦心して妻や家人などから助言を受けつつそれなりの歌を詠み、朝廷の上層部の信頼を得る、として清盛の成長を見せたほうがよかったように思えてなりません。じっさい問題として、あのような場があったとして、今回の清盛のようなふざけた行為が許されるとはとても思えませんし、失脚の要因にさえなるのではないか、とさえ思います。
本筋の伊勢平氏一門以外の話では、河内源氏の恒例の内紛や、近衛帝が病弱であることから、弟の雅仁親王(後の後白河帝)に自分にも院政を行なう機会が到来するかもしれないと示唆され、浮ついたところをわずかながらに見せた崇徳院や、歌会の場での鳥羽院・美福門院(得子)・頼長の貫録や変人の雅仁親王など、見どころが多いだけに、本筋が魅力のないものになってしまっていることが残念です。次回は雅仁親王の即位が本題となるようですが、近衛帝の後継者問題において重要人物の一人である、雅仁親王の息子で後の二条帝について、どのていど描かれるのか、注目しています。
http://www9.nhk.or.jp/kiyomori/special/iso/index.html
いよいよ清盛が棟梁となり、どのように変わってくるのか、という点にも大いに注目していたのですが、正直なところ、劇的に変わったようには見えず、妻の時子とともに、未熟な面が強調されました。これまでの描写とは整合的で自然と言えるのですが、成長という意味でもう少し変わってくるのかと思っていただけに、期待外れだった感は否めません。
それもありますが、今回は最大の見せ場となるべき歌会の場面で盛大に外してしまった感は否めず、第二部の開始ということで期待していたこともあって、大いに失望してしまいました。どうも、主人公の魅力のなさが災いしているということと、時子役の深田恭子氏の演技力とにより、本筋の伊勢平氏一門のホームドラマ場面が魅力に欠けるものになっているように思います。もっとも、生真面目な重盛といい加減な基盛との対照性など、伊勢平氏一門の人物造形をしっかりとやっているところには見どころもあったのですが、次回以降もこのような調子で続くとなると、さすがに厳しいものがあります。清三郎(宗盛)が時忠により心に傷を負ってしまったこことも気になりますが、愚鈍な人物に成長することへの伏線でしょうか。
問題の歌会の場面ですが、これまでの「はみだし者」という清盛の描写からすると、天皇家や摂関家への皮肉・批判とも受け取れるような歌(とはとても言えないような代物ですが)を詠んだことは、ある意味整合的と言えるかもしれません。しかしここは、清盛が苦心して妻や家人などから助言を受けつつそれなりの歌を詠み、朝廷の上層部の信頼を得る、として清盛の成長を見せたほうがよかったように思えてなりません。じっさい問題として、あのような場があったとして、今回の清盛のようなふざけた行為が許されるとはとても思えませんし、失脚の要因にさえなるのではないか、とさえ思います。
本筋の伊勢平氏一門以外の話では、河内源氏の恒例の内紛や、近衛帝が病弱であることから、弟の雅仁親王(後の後白河帝)に自分にも院政を行なう機会が到来するかもしれないと示唆され、浮ついたところをわずかながらに見せた崇徳院や、歌会の場での鳥羽院・美福門院(得子)・頼長の貫録や変人の雅仁親王など、見どころが多いだけに、本筋が魅力のないものになってしまっていることが残念です。次回は雅仁親王の即位が本題となるようですが、近衛帝の後継者問題において重要人物の一人である、雅仁親王の息子で後の二条帝について、どのていど描かれるのか、注目しています。
この記事へのコメント
劉様がご指摘のように、悪左府の頼長や崇徳天皇兄弟のようにライバルや中立勢力が魅力的なのに主人公と歌会の話が少し残念でした。
往年の名作「草燃える」のようにオリジナルを詠まずとも、4人の子供や多くの家来もいるのだからその助言を受けて読んだので喝采された…など、武士らしさ・清盛らしさを出す場面はあったはずなのにと思います。
1部が分かりづらいと批判されたので2部は安易にしようとする意図が見えていると個人的には感じてしまいますね。
GWを楽しくお過ごしでしょうか?
今回より序章なんでしょうが、内容は先週に引き続き今週もファミリードラマのようで、これではますます視聴率が・・もしかして初の一桁なのかと心配です。
粗野で純心な(?)清盛が徐々に表出し周囲は受け入れざるを得ない状況になり・・事乱までちょっと長いよと感じます・・し、違う解釈はないのか?しかし来週からは動きがありそうで楽しみです。
時子が・・。
『平家の野望』とドラマを同時平行で進めているので、実はこの存在が平家に重要な役割の女子・・の、はずだと思うのですが大根ぶりは困ったもんです。(顔はかわいい)
声は・・常盤のがかわいい(笑)
清盛のセリフ「まこと・・」の後は・・想像ついちゃいましたね、残念です。
時子が大根なのは覚悟していましたが、やはりきついものがあります。
今回視聴率は13.9%とやや伸びましたね、安心しました。
ちょっといつもより数字の出るのが遅かったような気がしたのは気のせいだったのかしら?
武井咲さんが、昨晩つるべの番組に出ていてその素顔は中学生のようです、これからキャストもかなり若返ってくるのでしょうから滋子は鳴海ちゃんだし・・・・ついていかねば・・。
なんとなくシブ系のアラフォーのが居心地いいんだけどーたまこが恋しい(笑)
15日に特番があるらしいですよ。
私も、大いに期待していたものです。
それでこの出来ですから、さらに見離されることになったかもしれません。
「大河ドラマでこの人物を演じる俳優はこういうタイプの人物が定番」の先入観が、実際の俳優のイメージから回避しているために今年を含む過去3年間の失敗になっていると思います。
反対に言うと来年の新島八重は、「過去に演じた女優が大河ドラマでは1人もいないのでイメージが湧き難いと言う反面、スタッフの側から見ると思う存分人物像のカラーを描ける」ので綾瀬はるかさんは演じやすい(+今年までの3年間の失敗を教訓にする)のではないかと思います。
2008年の篤姫が大ヒットしたのもこの理由です。
誰が主役を演じても反響・評価が同じならば「若い俳優が主役をする場合は中年以上の俳優以外は、主役含めおおむね新人俳優を起用すればいい」と言う極論もあります。
仮定の話で、大河ドラマスタッフが「大河ドラマのオールドファン」である「高齢者の意見」しか耳を課さないと言うスタンスなら、「さすがにもう高齢者目当ての配役ができない」と言う事を世間が理解するべきです。65歳を超えている俳優がNHKの連続ドラマで主役になる事はこの先ほぼないでしょう。