本村凌二『ローマ人に学ぶ』

 集英社新書の一冊として、集英社より2012年1月に刊行されました。表題から、かなり内容が薄いのではないか、との懸念もあったのですが、これまでに読んだ本村氏の一般向け著作には外れがなかったので、読んでみることにしました。しかし今回は、懸念がやや当たった感があり、雑多な感が否めず、ビジネス雑誌などで見られる歴史を現代に活かすという内容の特集と、悪い意味で通ずる軽さがあるように思われます。ただ、さすがに紹介されている個々の史実・伝承の取り上げ方と解説は読みごたえがありました。読んで損をしたとは思いませんが、これまでの本村氏の一般向け著作と比較すると、物足りなさが残ったのは否めません。

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  • 本村凌二『古代ローマとの対話 「歴史感」のすすめ』

    Excerpt: まだ日付は変わっていないのですが、10月5日分の記事として掲載しておきます。岩波現代文庫の一冊として、岩波書店より2012年6月に刊行されました。表題と少し読んだ印象からは、かなり内容が薄いのではない.. Weblog: 雑記帳 racked: 2012-10-04 22:16