NHKスペシャル『ヒューマン なぜ人間になれたのか 第4集 そしてお金が生まれた』
シリーズの最終回となる第4集が放送されました。貨幣が人間社会の在り様を大きく変えたのは確かでしょうが、「なぜ人間になれたのか」と題しての特集だけに、お金を題材としたのは適切ではなかったように思います。現生人類(ホモ=サピエンス)の歴史において、貨幣が用いられなかった時代のほうが圧倒的に長く、つい最近まで貨幣が重要な役割を担っていなかった地域も少なからずあり、今でも、貨幣とほとんど無縁の人間集団もあるようです。まさか、そうした人間集団が人間ではないと言えないでしょうし、じっさい番組でも、そのように主張はされていませんでした。
貨幣が利己的な欲望をあおることが強調されていた一方で、人間には他人に共感する心情が備わっていることも指摘され、格差の拡大が懸念される昨今の社会を意識してということもあるのでしょうし、このシリーズの特色でもあるのですが、希望も提示した構成になっていました。シリーズ全体を通じてみると、やはり当初の懸念通り、単純化・類型化が行き過ぎたところがあるように思います。ただ、50分程度の一般向け番組となると、仕方のないところもあるでしょうか。正直なところ、期待外れだったところが多分にありますが、徹底して批判するほど悪い出来でもなかったように思います。
貨幣が利己的な欲望をあおることが強調されていた一方で、人間には他人に共感する心情が備わっていることも指摘され、格差の拡大が懸念される昨今の社会を意識してということもあるのでしょうし、このシリーズの特色でもあるのですが、希望も提示した構成になっていました。シリーズ全体を通じてみると、やはり当初の懸念通り、単純化・類型化が行き過ぎたところがあるように思います。ただ、50分程度の一般向け番組となると、仕方のないところもあるでしょうか。正直なところ、期待外れだったところが多分にありますが、徹底して批判するほど悪い出来でもなかったように思います。
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