異質だった「江」に賛否両論

 12月4日付の読売新聞の番組欄「放送塔から」に、表題の記事が掲載されました。短いので、全文引用します。

 NHK大河ドラマ『江~姫たちの戦国~』が、11月27日に完結した。
 最終回は、時代劇というよりホームドラマの大団円のようだった。従来の大河とは異質な作品と受け止めた視聴者も多いようだ。
 「ここまで合戦シーンを控えめにして、その前後の当事者の心理や家族の絆を丁寧に描いた大河ドラマはなかったと思います」と福島県のアルバイト、佐藤正人さん(50)は書く。東京都の無職、吉田進さん(61)は「これまでの歴史解釈と違い、女性目線からの艶やかな戦国絵巻を堪能させてくれた見応えのあるドラマでした」と記した。
 一方で批判も目立った。千葉県の会社員、高橋洋さん(39)は「ヒロインが魅力に欠けた」と手厳しい。「事あるごとに信長や秀吉のもとに直談判に行く姿は、とても好感が持てるものではなかった」と続く。
 番組開始直後は期待を記した投稿が多かったが、まもなく批判が上回った。徳川秀忠役の向井理さんが登場した夏頃には好意的な意見も見られたが、以後は「江」に対する意見自体が減り、完結後の感想も10通余り。大河としては寂しい数だ。批判的な視聴者は途中で離れてしまったのかもしれない。
 それでも全話の平均視聴率は17.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)で、ドラマ全般の中ではさほど悪くない。従来の大河ファンとは異なる層に支持されたとも考えられる。
 次作「平清盛」は、どんな層に支持されるのか。興味深い。


 『江~姫たちの戦国~』が、「当事者の心理や家族の絆を丁寧に描いた」とか、「艶やかな戦国絵巻」だった、と私は考えていませんが、そのように考える人もいるのかもしれませんし、もちろん、ドラマの感想というものが一様である必要はありません。ドラマの終盤になると、賛否両論というか、そもそも大河ドラマとしては反響が少なかったことが窺えます。そのことからして、『江~姫たちの戦国~』は「従来の大河ファンとは異なる層に支持された」のではなく、「従来の大河ファン」が惰性で見続けていた、という側面が強いのではないか、と私は考えています。

この記事へのコメント

みら
2011年12月06日 00:14
こんばんは

高橋さんに1票を‼

惰性…その通りです。
そして、自然災害もありましたから、人の愛を語る大河ドラマの方が、戦場シーンよりも安らげた事はあるかもしれません。

坂の上…地デジテレビに変えたら拍手がありますが、昨日はあまり集中出来ず、明治の歴史に疎いので、わからなくなってきました笑。
えびすこ
2011年12月06日 19:46
来年の平清盛に対する意見の賛否がどうなるかですね。
来年の今頃に「期待を裏切られた」と感じる人が案外多いかもしれませんね。
映画やドラマは多かれ少なかれ「期待を裏切る」事があります。
坂の上の雲や南極大陸、昨年の龍馬伝もしかり。
でもこの数か月の大河ファンの「平清盛ヨイショ」は、度が過ぎているように感じます。
今年は「戦国作品」でも大名クラスの「上流階級」のみを、中心にしたストーリーと言う意味では異質かもしれませんね。

私から一言。今年の「江 姫たちの戦国」に関して、いつまでもマイナスな印象を引きずるのも後味が悪いので、関連記事は今回を最後にしてはどうでしょう。
2011年12月06日 20:41
不安要素は少なくなく、期待を大きく裏切られる可能性もありますが、現時点では『平清盛』に大いに期待しています。
きまぐれ
2011年12月06日 21:38
毎週「惰性」の二文字が頭の中を駆け巡っていた一人です。
瞬間的にはツッコミを入れたくなるのに、いざ文章に起こすと心身ともに大変消耗する、そんな日々の繰り返しだったような・・・。

『平清盛』は、楽観する側・悲観する側どちらにもいえることですが、どうも皆さん軽々しい印象を受けますね。
とりあえずえびすこさんの仰る「度が過ぎる」という点に関しては、うーん、「来年こそは一年間鑑賞に耐えうる作品を見たい!」と強く願うのも、大河ファンにしてみれば至極当然な感情ではないでしょうか。
まぁ実際のところは、そう前向きな意見ばかりでもないみたいですよ。
舞台となる平安末期について学ばれている方々のみならず、放送開始前から相当手厳しい批判も少なからず耳に入ってきておりますので。

ともあれ、来年今頃の「放送塔から」には明るい記事が掲載されているといいですね。
2011年12月06日 22:13
ネットで見たかぎりですが、時代考証を中心に不安点を指摘する人は少なくないようですね。

私がもっとも不安に思っているのは、一部の出演者です。

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