ドマニシ人の歯の分析
ドマニシ人の歯の分析についての研究(Pontzer et al., 2011)の要約を読みました。グルジアのドマニシ遺跡からは、185万年前近くまでさかのぼる人類の痕跡が発見されており、ドマニシの人骨群には、エレクトスと類似した派生的特徴と、ハビリスに見られるような原始的特徴とが混在していることが、重要な特徴となっています。185万年前近くまで年代がさかのぼることから、人類の出アフリカの年代がじゅうらいの通説よりもさかのぼる可能性が高くなり、さらには、そもそもホモ属はアフリカではなくユーラシアで進化した可能性もあるのではないか、とも指摘されています。
最近では、化石人類の歯の微視的使用痕の分析が進展してきており、エレクトスの進化はより多様な食性への移行によって特徴づけられてきた可能性が指摘されています。この研究では、ドマニシ遺跡で発見された180万年前頃の人類の臼歯2本の咬合面の微視的使用痕が分析されました。その結果、ドマニシ人とアフリカの初期ホモ=エレクトス(エレクトスとは区別し、エルガスターと分類する見解もあります)との類似性が確認され、エレクトスがユーラシアへと拡大したさいにも、食性に連続性のあった可能性が指摘されています。ただ、ドマニシ人とアフリカの初期エレクトスとの関係については、今後も検証が必要だろうとは思います。
参考文献:
Pontzer H. et al.(2011): Dental microwear texture analysis and diet in the Dmanisi hominins. Journal of Human Evolution, 61, 6, 683-687.
http://dx.doi.org/10.1016/j.jhevol.2011.08.006
最近では、化石人類の歯の微視的使用痕の分析が進展してきており、エレクトスの進化はより多様な食性への移行によって特徴づけられてきた可能性が指摘されています。この研究では、ドマニシ遺跡で発見された180万年前頃の人類の臼歯2本の咬合面の微視的使用痕が分析されました。その結果、ドマニシ人とアフリカの初期ホモ=エレクトス(エレクトスとは区別し、エルガスターと分類する見解もあります)との類似性が確認され、エレクトスがユーラシアへと拡大したさいにも、食性に連続性のあった可能性が指摘されています。ただ、ドマニシ人とアフリカの初期エレクトスとの関係については、今後も検証が必要だろうとは思います。
参考文献:
Pontzer H. et al.(2011): Dental microwear texture analysis and diet in the Dmanisi hominins. Journal of Human Evolution, 61, 6, 683-687.
http://dx.doi.org/10.1016/j.jhevol.2011.08.006
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