ハベル前大統領と金正日総書記の死亡報道
昨日、チェコのバツラフ=ハベル前大統領が今月18日に75歳で、朝鮮民主主義人民共和国の最高権力者である金正日・朝鮮労働党中央委員会総書記が今月17日に69歳で亡くなった、と報道されました。ハベル前大統領は、私が昔からずっと尊敬してきた人で、ビロード革命の立役者となり、後にチェコの大統領に選出されても、権力者であることに慣れることへの恐れを抱き自制し続けてきた、真の意味で良心的な文人政治家との印象を抱いてきました。もっとも、チェコ政治の専門家やチェコの国民のハベル前大統領への印象は、私のそれとは異なるところがあるのかもしれませんが。ハベル前大統領は、今月にもダライ=ラマ14世と会談を行なっていたくらいで、おそらくその知性・人間性が大きく衰えていたということはないのでしょう。それだけに、75歳で亡くなったのはなんとも残念です。
北朝鮮の最高権力者に関する過去の報道には、金正日総書記の父親で前代の最高権力者である金日成国家主席に関して、じっさいの死の数年前だったと記憶していますが、死亡したと誤って報道されたことがありましたので、第一報を知ったときはやや懐疑的でした。しかし、国営の朝鮮中央通信での発表とのことなので、金正日総書記が亡くなったことはまず確実だろう、と思います。近年では、金総書記の健康不安がずっと報道されてきたので、亡くなったこと自体は、多くの人にとって想定内だったでしょう。朝鮮中央通信によると、金正日総書記は過労のために亡くなったとのことで、北朝鮮では過労による死は公的には名誉のこととされているようです。これを北朝鮮の非人道的体制と結びつけて批判する人は多いでしょうが、日本の「進歩的で良心的な」見解のなかには、過労死の絶えない現在の日本社会の在り様からも、これは「日帝残滓」である、との主張も見られるかもしれません。
後継者はすでに、金正日総書記の三男の金正恩・朝鮮人民軍大将に決定しており、北朝鮮では最高権力者の世襲制がすっかり定着した感がありますが、金正日総書記の時と比較して、後継者と発表されてから継承するまでの時間がたいへん短いので、最高権力者として支配層の間で受け入れられるのか、不明なところがあるのは否定できず、金正恩・朝鮮人民軍大将が真の最高権力者として君臨できるのか否か、北朝鮮の国家体制が不安定化するのか否かとなると、予想の難しいところです。あるいは、金一族が今後も最高権力者の地位に祭り上げられ続けるものの、実質的には集団指導体制に移行するのかもしれません。
北朝鮮の最高権力者に関する過去の報道には、金正日総書記の父親で前代の最高権力者である金日成国家主席に関して、じっさいの死の数年前だったと記憶していますが、死亡したと誤って報道されたことがありましたので、第一報を知ったときはやや懐疑的でした。しかし、国営の朝鮮中央通信での発表とのことなので、金正日総書記が亡くなったことはまず確実だろう、と思います。近年では、金総書記の健康不安がずっと報道されてきたので、亡くなったこと自体は、多くの人にとって想定内だったでしょう。朝鮮中央通信によると、金正日総書記は過労のために亡くなったとのことで、北朝鮮では過労による死は公的には名誉のこととされているようです。これを北朝鮮の非人道的体制と結びつけて批判する人は多いでしょうが、日本の「進歩的で良心的な」見解のなかには、過労死の絶えない現在の日本社会の在り様からも、これは「日帝残滓」である、との主張も見られるかもしれません。
後継者はすでに、金正日総書記の三男の金正恩・朝鮮人民軍大将に決定しており、北朝鮮では最高権力者の世襲制がすっかり定着した感がありますが、金正日総書記の時と比較して、後継者と発表されてから継承するまでの時間がたいへん短いので、最高権力者として支配層の間で受け入れられるのか、不明なところがあるのは否定できず、金正恩・朝鮮人民軍大将が真の最高権力者として君臨できるのか否か、北朝鮮の国家体制が不安定化するのか否かとなると、予想の難しいところです。あるいは、金一族が今後も最高権力者の地位に祭り上げられ続けるものの、実質的には集団指導体制に移行するのかもしれません。
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