スペシャルドラマ『坂の上の雲』第12回「敵艦見ゆ」
省略されると思っていた黒溝台会戦が、意外と長く描かれていましたが、確か原作では、もっと火力の効果が強調されていたように記憶していますので、その点はやや不満の残るところです。けっきょくのところ、なぜロシア軍が有利な状況で攻勢を中止したのか、よく分からないような描写だったのですが、確か原作でも、不可解なところがある、とされていたように記憶しています。ただ原作では、このロシア軍の不可解な行動が、クロパトキンの個性と結びつけて推測されており、それが奉天会戦でのロシア軍の敗退という結果をもたらした、という解釈になっています。
奉天会戦での日本軍の作戦は、今回の児玉の台詞にあるように、児玉も認める奇策されていましたが、これはクロパトキンの性格を読んだうえでのことという解釈になっていました。児玉は、クロパトキンとの一年に亘る対峙の結果、クロパトキンの性格を理解できるようになった、という流れになっていたのですが、残念ながら、このドラマではクロパトキンの人物像がほとんど描かれてこなかったため、やや説得力に欠けていました。もっとも、そのためには、遼陽会戦も詳しく描写しなければならないわけで、日本海軍の戦艦2隻の沈没や黄海海戦も省略されていたくらいですから、今更ではありますが、やはり時間が足りないな、と思います。同様に、満洲軍総司令部、とくに松川と第三軍たの確執も、もう少し詳しく描いていれば、今回の松川の台詞もさらに活きてきたように思います。
今回は、日本海海戦の始まりまで描かれましたが、そこへといたる過程は、時間的制約のなかでも、最後まで緊張感のある描写になっていたように思います。これは、脚本と演出と俳優たちの熱演が上手くかみ合ったからでしょう。ただ残念だったのは、第二次大戦の敗戦時の首相を演じた人が、昔と変わらずやはり大根だったことで、熱演の多いなか、悪い意味で浮きまくっていました。映像面では、ロケを多用していたこともあって、陸戦・海戦ともにテレビドラマとしては素晴らしく迫力のある出来となっていました。次回でいよいよ最終回となりますが、最終回も期待できそうで、今から楽しみです。
奉天会戦での日本軍の作戦は、今回の児玉の台詞にあるように、児玉も認める奇策されていましたが、これはクロパトキンの性格を読んだうえでのことという解釈になっていました。児玉は、クロパトキンとの一年に亘る対峙の結果、クロパトキンの性格を理解できるようになった、という流れになっていたのですが、残念ながら、このドラマではクロパトキンの人物像がほとんど描かれてこなかったため、やや説得力に欠けていました。もっとも、そのためには、遼陽会戦も詳しく描写しなければならないわけで、日本海軍の戦艦2隻の沈没や黄海海戦も省略されていたくらいですから、今更ではありますが、やはり時間が足りないな、と思います。同様に、満洲軍総司令部、とくに松川と第三軍たの確執も、もう少し詳しく描いていれば、今回の松川の台詞もさらに活きてきたように思います。
今回は、日本海海戦の始まりまで描かれましたが、そこへといたる過程は、時間的制約のなかでも、最後まで緊張感のある描写になっていたように思います。これは、脚本と演出と俳優たちの熱演が上手くかみ合ったからでしょう。ただ残念だったのは、第二次大戦の敗戦時の首相を演じた人が、昔と変わらずやはり大根だったことで、熱演の多いなか、悪い意味で浮きまくっていました。映像面では、ロケを多用していたこともあって、陸戦・海戦ともにテレビドラマとしては素晴らしく迫力のある出来となっていました。次回でいよいよ最終回となりますが、最終回も期待できそうで、今から楽しみです。
この記事へのコメント
2対戦も飛ばして描いていたなんて…。日露戦争は難しくて正しく理解するには、副読本的な書籍が必要ですね。高校の教科書かな。
しかし野戦は見るも無残で、かなり痛手を受けた戦争だったのだと知りました。
何故ロシアは退却したんですか?本当の理由は何なのか知りたいです。
また、バルチック艦隊の停泊地は、現代なら簡単にわかるのにとか、水兵が風呂入って着替える理由、甲板に砂を捲くなど、知らない事を見つつ「戦場の誰もが決死の覚悟で臨んでいる事に、最近涙もろいのでちょろっと涙が出ました。
しかし、真之がどうもちっぽけな展開で、もう豆食べたり踊り踊ったりは、大根役者と同じくらい「浮いた」狙いすぎで。もうやめたらいいのに…と思います。
対馬での対戦も結果すら私は知らないので、緊張、手に汗を握る感じでみていました。
久しぶりに見応えがあり、本当に来週はどんな終焉を迎えるのか楽しみです。
好古は、相変わらず素敵笑。
この作品も通しで見たいですね。DVDあるんですか?
また、戦場シーンで少し興奮した後に、「福島第一原発のメルトダウン」の番組見たら、何ともいえずに落ち込みましてあの日の恐怖感がよみがえり現実に戻ってしまいました。
やはり、今年の出来事が自分の身に大きく影響し、ダメージを受けた事に気がつきます。
どうにか、来年は立ち直らないといけませんね。
この番組には「軍艦が沈む場面」があるので、地震による大津波で自分の船をなくした人から。極端に言うと放送延期にしてもいいくらいです。
映画・のぼうの城は「水攻めが大津波を連想する」ので、予定を変えて上映が1年延期になりました。NHKにそのあたりの考慮がないのはなぜでしょう?
「坂の上の雲」は放送する意義が薄い(司馬遼太郎先生が生前の映像化を嫌った理由を改めて考えるべきでは?)ので、最初から期待していないんですよ。
DVDは蔦屋がお安くなっていたら借りたいですね~・・などといってる余裕はあったかな?(笑)
BDってなんですか?
実は、DB(データベース)を間違えて入力したのかと思っていました。
BDとは縁がありませんでしたから、進化の一過程を飛ばしちゃいましたね。