本村凌二『古代ポンペイの日常生活』第4刷
講談社学術文庫の一冊として、2010年10月に講談社より刊行されました。第1刷の刊行は2010年3月です。本書は、中公新書として1996年に刊行された『ポンペイ・グラフィティ』の増補・改訂版である『優雅でみだらなポンペイ』(講談社、2004年)を原本としたもので、ともにこれまで読んだことがなかったのですが、これまでに読んだ本村氏の一般向け著作には外れがなかったので、講談社学術文庫として刊行されたこの機会に読んでみることにしました。本村氏の学界での評価については、専門家ではない私にはよく分かりませんが、著述者としての力量はかなりのものではないかな、と高く評価しています。
さて、本書の内容ですが、当時のポンペイ市民の具体的生活様相・ポンペイ市民の心性について、落書きを手掛かりとして鮮やかに描き出されており、期待に違わぬ出来になっています。さらに本書では、ローマ帝国における識字率について推測されるとともに、人類史における識字率、また人類史における文字の果たした役割についても言及され、細かな史実の解明だけではなく、大きな問題への手がかりも提示されています。本書を読むと、当時のポンペイ市民と現代人との間に共通点が少なくないことが分かりますが、一方、信仰面では大きな違いがありそうだな、とも思います。
さて、本書の内容ですが、当時のポンペイ市民の具体的生活様相・ポンペイ市民の心性について、落書きを手掛かりとして鮮やかに描き出されており、期待に違わぬ出来になっています。さらに本書では、ローマ帝国における識字率について推測されるとともに、人類史における識字率、また人類史における文字の果たした役割についても言及され、細かな史実の解明だけではなく、大きな問題への手がかりも提示されています。本書を読むと、当時のポンペイ市民と現代人との間に共通点が少なくないことが分かりますが、一方、信仰面では大きな違いがありそうだな、とも思います。
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