スペシャルドラマ『坂の上の雲』第１１回「二〇三高地」
今回は、真之・好古の登場場面がほとんどなく、実質的には乃木と児玉が主人公でした。とくに乃木は、幼少時の様子や次男の保典の戦死の経緯が描かれるなど、第三部では重要人物として取り上げられそうだな、と思ってはいたものの、これほど深く描かれるとは予想していませんでした。今回は、乃木と児玉の覚悟がよく描かれており、脚本・演出・演技が上手くかみ合っていた、と思います。とくに、乃木と児玉の二人きりの会見は見ごたえがありました。今回は、ひじょうに重い展開のためなのか、オープニングの音楽もいつもの明るい調子のものではなく、暗く重い感じのものとなっていました。
乃木がどう描かれるのかということは、少なからぬ視聴者にとっての関心事だったでしょうが、おおむね原作に忠実だったように思います。もっとも、原作を最後に読んでから十数年以上経過しているため、記憶が曖昧であり、確信があるというほどではありませんが。原作は、乃木愚将論を主張しているとよく言われますが、乃木の人格については好意的で、水師営の会見では乃木の人格が世界に感銘を与えた、と高く評価しています。その意味で、原作での乃木について、少なくとも私は一方的に悪い印象を受けたわけではありませんでした。
原作で本当に愚人扱いされているのは、第三軍参謀長の伊地知幸介で、こちらは専門家としての能力どころか、人間性についても好意的な記述ではなく、無能な悪人といった印象を与えます。司馬作品の愛読者だった当時でも、さすがにこの評価は妥当なのだろうか、と疑問に思っていたくらいですが、この作品では、原作よりも和らげられていたものの、やはり無能さと頑迷さが印象づけられるような描写でした。伊地知の評価について、的確に論じられるだけの見識は私にはありませんが、原作と正反対の人物描写は難しいでしょうから、仕方のないところでしょうが。
映像については、ロケを多用しての迫力のあるもので、よくもこれだけのものを撮影できたものだな、とは思いますが、欲を言えば、旅順要塞攻防戦でもっと兵士がいるように見せられればよかったかな、と思います。もっとも、私は旅順要塞攻防戦に詳しくないので、的外れな感想かもしれませんし、そもそも、今回以上の映像を撮影するのは難しいのだろう、とは思いますが。旅順要塞攻防戦でこれだけの出来ですから、この作品の頂点となる日本海海戦では、さらに迫力のある映像が期待できそうです。次回は、もう日本海海戦の始まりまで描かれるようですが、奉天会戦も少しは触れられるのでしょうか。
乃木がどう描かれるのかということは、少なからぬ視聴者にとっての関心事だったでしょうが、おおむね原作に忠実だったように思います。もっとも、原作を最後に読んでから十数年以上経過しているため、記憶が曖昧であり、確信があるというほどではありませんが。原作は、乃木愚将論を主張しているとよく言われますが、乃木の人格については好意的で、水師営の会見では乃木の人格が世界に感銘を与えた、と高く評価しています。その意味で、原作での乃木について、少なくとも私は一方的に悪い印象を受けたわけではありませんでした。
原作で本当に愚人扱いされているのは、第三軍参謀長の伊地知幸介で、こちらは専門家としての能力どころか、人間性についても好意的な記述ではなく、無能な悪人といった印象を与えます。司馬作品の愛読者だった当時でも、さすがにこの評価は妥当なのだろうか、と疑問に思っていたくらいですが、この作品では、原作よりも和らげられていたものの、やはり無能さと頑迷さが印象づけられるような描写でした。伊地知の評価について、的確に論じられるだけの見識は私にはありませんが、原作と正反対の人物描写は難しいでしょうから、仕方のないところでしょうが。
映像については、ロケを多用しての迫力のあるもので、よくもこれだけのものを撮影できたものだな、とは思いますが、欲を言えば、旅順要塞攻防戦でもっと兵士がいるように見せられればよかったかな、と思います。もっとも、私は旅順要塞攻防戦に詳しくないので、的外れな感想かもしれませんし、そもそも、今回以上の映像を撮影するのは難しいのだろう、とは思いますが。旅順要塞攻防戦でこれだけの出来ですから、この作品の頂点となる日本海海戦では、さらに迫力のある映像が期待できそうです。次回は、もう日本海海戦の始まりまで描かれるようですが、奉天会戦も少しは触れられるのでしょうか。
この記事へのコメント
203高地ってつい最近まで日本のどこかの山だと思っていたほど無知な私ですら、のめり込んでみました。
ま、国内なら夏に訪れたでしょうね。
人間模様というのは、描きかたはどうあれこれくらい視聴者を釘付けにして欲しいもんです。
しかし、明治時代は辛いわ、この時代に生まれるのと、原発の元に生活する現代と、どちらが庶民は幸せなのか、考えながら見てました。
どうせなら軍師として生まれるのがいいかな。
来年は、坂の上ミュージアムに行こうかな笑
今日は帰るのが面倒で職場付近のビジネス泊まりでぇす。
今秋はついに一度も旅に出なかったのでこれも気分転換です。
乾燥してますー。
軍師と言ってすぐイメージするのは私の場合勘助でございますよ、勘助というか内野さんと限定しても良いか…。
最近は秋山好古になってしまいそうですね。
天皇の最新刊は、なかなか借りられなくて…。
お正月あたりに読んでみたいと思います。
劉さんの年末年始はほえろのDVDですか？
年末年始は2年前に大河ドラマDVDにすっかりはましましたが、
劉さんのおかげで2本のうちは旅行まで行きました笑。真田太平記ですね。
『炎立つ』も、震災が無ければ平泉は行き、俘囚に関する資料を探した事でしょう。
大河ドラマDVDで、オススメはありますか？
そうですか、それでは大河ドラマ以外の時代劇でオススメのDVDはありますか？
…秋山好古は軍師ではありませんでしたね。笑
それと、近日中にNHKで『黄金の日々』の総集編を放映するらしきCMを見たのですが、日程をご存じでしたら教えて下さい。
よろしくお願いします。