藤井讓治『日本近世の歴史1 天下人の時代』
『日本近世の歴史』全6巻の第1巻として、2011年11月に吉川弘文館より刊行されました。著者による一般向け書籍には『天皇の歴史05 天皇と天下人』があり、本書とは対象とする時代が重なるのですが、同書については以前このブログで取り上げたことがあります。
https://sicambre.seesaa.net/article/201106article_8.html
本書も『天皇の歴史05 天皇と天下人』と同じく、最初から最後まで淡々とした史実の紹介に終始していますが、二回目ということで、困惑することはありませんでした。本書は天下人という視点からの中世末期~近世初期の政治史を扱っており、天下人の地位が、関白や征夷大将軍といった地位ではなく、領地宛行権と軍事指揮権の掌握に保証されることが指摘されています。これは、関白秀次ではなく太閤秀吉に、将軍秀忠ではなく大御所家康が実権を握っていた、という通俗的な歴史観と通ずるところがあり、こうした通俗的な歴史観が歴史学によって実証されていく過程もまた、読み応えがあるのではないか、とも思います。
https://sicambre.seesaa.net/article/201106article_8.html
本書も『天皇の歴史05 天皇と天下人』と同じく、最初から最後まで淡々とした史実の紹介に終始していますが、二回目ということで、困惑することはありませんでした。本書は天下人という視点からの中世末期~近世初期の政治史を扱っており、天下人の地位が、関白や征夷大将軍といった地位ではなく、領地宛行権と軍事指揮権の掌握に保証されることが指摘されています。これは、関白秀次ではなく太閤秀吉に、将軍秀忠ではなく大御所家康が実権を握っていた、という通俗的な歴史観と通ずるところがあり、こうした通俗的な歴史観が歴史学によって実証されていく過程もまた、読み応えがあるのではないか、とも思います。
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