『太陽にほえろ!』225話「疑惑」10

 217話「スコッチ刑事登場!」
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でも述べたように、スコッチの登場から転任までの半年間は、スコッチの心の回復が重要なテーマとなりますが、この225話はその中でもとくに重要で、スコッチの心はここでほぼ回復したともいえ、転任時の回での元婚約者との再会と悲しい別れを耐えたことにより、スコッチは完全に立ち直ることになります。

 さて、この225話は、スコッチのトラウマとなっている、射殺された先輩刑事の妻だった加代という女性が、ある殺人事件の重要参考人として登場します。スコッチは先輩刑事とだけではなく、その妻子とも親しかったため、加代が容疑者として浮上したことに苦悩しますが、ボスに「信じたい相手なら、信じたらどうだ。心を開きたい相手なら、心を開いたらどうだ」と言われてふっきれます。

 けっきょく加代は犯人ではなく、別人が逮捕されますが、加代が容疑をかけられた原因となった金銭の授受についてスコッチが問い質すと、先輩刑事が犯罪を追及していた相手から金銭を受け取っていたという衝撃的な事実が明らかになります。それでもその先輩刑事を立派な刑事だったと言うスコッチにたいし、世間が何と言おうと、俺とお前の二人だけでもそうだと知っていればいいではないか、とボスも同意します。厳しくも暖かいボスの助言により、スコッチの心の傷が癒えていく様子が描かれた、質の高い作品になっていると思います。今回、終盤で用いられたBGM「陽だまりの会話」は、これが作中での初使用だと記憶しているのですが、質の高い『太陽にほえろ!』のBGMのなかでも、最上位を争うくらいの出来だと思います。

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