『太陽にほえろ!』217話「スコッチ刑事登場!」10(追記有)

 殉職したテキサスの後任は、今は亡き沖雅也氏演じるスコッチ刑事でした。149話「七曲藤堂一家」
https://sicambre.seesaa.net/article/201107article_9.html
 でも述べましたが、このころには『太陽にほえろ!』の出演者・スタッフのチームワークがよすぎるのが懸念されるようになり、スコッチ刑事はそうした空気を乱す異端の存在として造形されたのだそうです。演じる沖氏も、それを意識して共演者とは距離をおくようにしていたそうですが、長さんを演じた野崎氏によると、素顔の沖氏は初期の冷たい感じのスコッチ刑事とは正反対の人柄だったそうです。

 スコッチは、ある事件で先輩刑事と犯人を追っていたところ、拳銃を撃つのをためらったため、その先輩刑事は殉職してしまいました。それ以前は心の優しい刑事だったのですが、それ以降、冷酷非情な捜査に徹するようになり、命令無視の単独行動・人権蹂躙・拳銃の過剰使用などですっかり問題刑事となってしまい、懲戒免職になりそうだったところをボスが七曲署一係に引き取ったというわけです。自分のミスで先輩刑事を死なせてしまった罪悪感・トラウマから、他の刑事と組まず単独で行動するようになったのですが、スコッチの心の傷が癒えて人間性を回復していく過程が、スコッチの登場から半年後の転任による退場までの間の『太陽にほえろ!』の重要なテーマとなります。スコッチの場合、これまでの新人刑事と異なり、すでに刑事としての腕は相当なものなので、刑事としての成長というより、心の回復が描かれたというわけです。

 さて、この217話に犯人役として登場するのは、後に265話「ゴリ、爆発!」にも出演する北條清嗣氏ですが、265話でもそうだったように、憎々しい犯人役を演じると本当に上手く、感心してしまいます。スコッチは、一係の他の刑事が懐疑的な中、早くから北條氏演じる男を犯人とにらんで単独で行動し、七曲署の捜査方針をめぐってゴリさんと衝突し、ゴリさんに殴られてしまいます。新人刑事がゴリさんに殴られるのは前期までの『太陽にほえろ!』の定番なのですが、テキサスだけは殴られなかったような気がします。そういえば作中でも、ゴリさんとテキサスは馬が合っていたような感じがします。ゴリさんを演じた竜雷太氏が、テキサスを演じた勝野洋氏と仲が良いためでしょうか。


追記(2015年2月7日)
 評価を9から10に変更しました。

この記事へのコメント

みら
2011年08月31日 23:06
こんばんわ

明日から9月だというのにまだまだ暑いですね~
しかし台風が過ぎるたび、徐々に秋が深まってゆくのでしょう。

今年は独り身に応える深くてさみしい秋になる予感がいたします(笑)
そろそろ彼氏が欲しい・・・(「一体いくつなんだお前は・・ふざけるな」というお怒りの声がきこえる・・)
・・・夏の疲れで頭も少し壊れてきたようで、お許しを。

明日は防災の日ですね、最近では、海底より日本の陸地に微震が多くなってきているのでとても危険です~9月は旅行を控えようかと思っています、が・・宮島に行きたいです。(←小学生の作文みたいですみません~。)

ゴリさんとテキサスはいかにも同類って気がします。
2011年08月31日 23:36
このところは、気温の高さよりも湿度の高さがきついと感じています。
台風が過ぎ去るまでは、我慢が続きそうです。
みら
2011年09月02日 21:47
こんばんは

その台風真っ只中に、明日は私早朝から出勤で、うんざりです。
最近は、台風の速度が遅いから、長雨が続きますね。
無事に職場に辿りつけるか心配です。
2011年09月03日 00:07
どうも今回の台風は関東を直撃することはないようです。ただ、雨はそれなりに降っていますし、湿度が高いこともあって疲れます。
みら
2011年09月09日 01:03
こんばんわ

まだまだ暑い日が続きますが、朝夕は涼しくなりましたね、しかし今晩は蒸します。エアコンを止める勇気がありません。

一昨日とうとう東京湾の直下で微震が発生しました(震度1)震災以後震源となったのは初めてで、これからは少し都心部に注目していたいと思います。
と言いつつも、本日都心部で古書めぐりをしながらどーっぷりと趣味にひたっておりました。・・今年の秋は趣味に走ってとんでもない散在をしそうで気を付けないといけません。

スコッチの素顔はお話し好きで気さくな人らしかったですね、自殺の原因はかなりショッキングで当時話題になりましたね。
2011年09月09日 22:41
今、ファミリー劇場で沖氏主演の『俺たちは天使だ!』が再放送されているのですが、この時のキャプテン役が、素顔の自分にもっとも近い、と沖氏は考えていたようですね。

『俺たちは天使だ!』はなかなか面白いのですが、軽さについていけないこともしばしばです。
一係の非常勤
2018年09月15日 09:35
七曲署の屋上でスコッチがゴリさんに『俺の前任者のテキサスって刑事、殉職したそうですね。テキサスって刑事を殺したのは誰でもない。あんたがたですよ!あんたがたが殺したんだ!』
と、核心をついた事を言われ、頭にきたゴリさんが殴るんですよね。
でもこれってどう考えても、他の一係メンバーが殺してしまったというより、テキサスの自己責任(自業自得)のような気が…
抜擢されてこれから本庁へ行こうっていう人が無断連絡の命令違反してるしねぇ。
そんなことすれば、栄転取り消しにもなるはずだし。
テキサスとゴリさんが同類っていうのも自分もなんとなくわかります。
登場編でも、一係の雰囲気になかなか馴染まない三上、テキサスにイラついていたゴリさんが町中で出会ったごろつきと、テキサスと一緒に自分も大乱闘を演じてしまい、二人でボスにお目玉を食らってましたしからねぇ。

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