大河ドラマ『江~姫たちの戦国~』第32回「江戸の鬼」

 今回、秀忠の乳母である大姥局がはじめて登場したのですが、なかなかの存在感でした。もっとも、例によって役者頼みではありましたが。江が江戸城に移り、大姥局が登場したことで、今後は、嫁と姑の争いという形をとって話を進めることができるようになった、と言えるでしょう。どうせ、歴史ドラマとしてはもうまともなものになりようがないわけであり、役者の力量頼みで、嫁と姑の争いを中心に描いていけば、それなりに需要のありそうな問題ですから(じゅうらいからの大河ドラマの視聴層はますます離れていきそうですが)、視聴率が15%を下回るようなことはもうなくなるかもしれません。それにしても、立ち聞きや妊娠に気づくところなど、本当にワンパターンというか、引き出しの少ない脚本・演出だなあ、と思います。

 次回は、三成襲撃事件が描かれるようですが、もちろん、この事件に関する近年の通説見直しは取り入れられず、三成は伏見の家康の屋敷に逃げ込むのでしょう。それは作風からして仕方のないことなのですが、じゅうらいの説をそのまま採用するにしても、史実とは異なる描写になるにしても、人間模様をしっかりと描いてくれれば、少なくともドラマとしては成功だろう、と思います。しかし、公式サイトを見ると、福島正則や黒田長政など、突如として関ヶ原前後の重要人物が一気に初登場するようで、唐突な感は否めなくなるでしょう。
http://www9.nhk.or.jp/go/cast/index09.html

 今回久々に登場した本多忠勝(おそらく、少なからぬ人は、この作品に登場していたことを忘れかけていたでしょう)や、次回登場するらしい黒田官兵衛にしても、知名度のある役者が起用されてはいるのですが、活躍場面がほとんど描かれていないため、今回突然登場した三成家臣の島左近や、次回唐突に登場するだろう福島正則や黒田長政ほどではないにしても、その言動には唐突な感が否めなくなるだろう、と予想しています。もう、開き直って、歴史上の重要人物は、江とその縁者などごく一部の人間以外登場させず、ほとんどホームドラマにするほうが、脚本家の力量からして、ドラマとしてまだましになるのではないか、と思います。

この記事へのコメント

みら
2011年08月22日 00:47
こんばんは。

五大老も、おや?せめて顔くらい出したらどうですか?って感じでしたね。

多分ホームドラマとしても期待出来そうにありません。

それにしても、加賀まりこがゾンビみたいで怖い~。
一体年齢いくつなんでしょ。
あんな婆に脚モミされてるゲゲゲの向井さんは見たくないですね、
この夫婦像は、どうも好きになれません。
今時の夫婦らしく描いているつもりなんでしょうが。

しかし、江戸に移りコレからは樹里ちゃんの主役らしいまっとうな演技を期待してます。

ところで、今年は忙しくて夏の高校野球は全くみませんでしたが、西東京が優勝したのね。これは嬉しいですね‼


国取りものがたりは、ダイジェスト版しか残ってないんですよね?
平幹二朗の道三と髙橋英樹の信長がなかなか魅力的でした。
嫁の松坂慶子がまた今と違いとても綺麗で(^_^)
江・秀忠の夫婦とは、全く違う強い絆がありましたね。
戦国の女房は、こうでなくちゃいけません!

これは見たいなー。
月光
2011年08月22日 08:28
歴史の表をリードするのは北大路氏の家康が主体になるのでしょうが、今まで有能で魅力的な部分を多く描かかれて、しかも主人公の養父でもあるため、天地人の家康や今回の秀吉の描写に比べれば、仮に江の姉を死に追いやる悪役と化しても、まだ見応えがある存在になりそうです。

初登場した加賀さんの大姥局はインパクトがあり、なかなか良さそうですね。男児を産んでこそ正室とか質素を重んじて…など常識派なのに鬼姑風の強面であるため、マザコンと言うか乳母コン(?)の秀忠と相まって、良い味を出しています。

もはやどうにもならないでしょうが、北大路氏と加賀さんの演技、今後の江と秀忠の成長で少しは良くなる事を祈るのみです。
2011年08月22日 20:55
加賀氏は無理に若作りをする風潮に批判的、という話を聞いたことがありますが、真偽は定かではありません。『国盗り物語』は、濃姫にかぎらず、女優陣の容貌の水準が高いと思います。

家康は今後、策謀家としての側面が描かれるようで、これまでに魅力のある人物として描かれてきただけに、確かに見ごたえがありそうです。もっとも、役者の力量頼みだとは思いますが。

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