『太陽にほえろ!』149話「七曲藤堂一家」9

 脚本は鎌田敏夫氏で、鎌田氏脚本の『太陽にほえろ!』の作品には面白いものが多いのですが、今回も揺れ動くボスの心境と一係の面々の対応とが丁寧に描かれた名作になっていると思います。ただ残念なのは、加入後半年以上経つのに、相変わらず棒読みのテキサスの演技です。今は検事になっている学生時代の同期生から、検事になるよう勧められたボスは、自分が山さんの出世を妨げているのではないかと悩み、真剣に検事への転身を考え、山さんにも何とか手柄を立てさせようとして、普段とは異なり他署との提携を拒み、情報も七曲署一係で独占しようとします。

 検事への転身を考えるボスのそのような態度に、テキサスは不信感を抱き、ゴリさんからも窘められますが、けっきょくボスは転身を諦め、一係の結束も以前にまして強くなります。七曲署一係の結束の強さは今回以前より描かれてきましたが、ボスが一係を家族のようだと考えていることが明示されたのは、今回がはじめてだと思います。じっさい、このころには出演者の仲も親密になっていき、撮影現場でもチームワークのよさが見られたそうです。

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