X染色体におけるネアンデルタール人と現生人類との交雑の痕跡
X染色体の分析から、ネアンデルタール人(ホモ=ネアンデルターレンシス)と現生人類(ホモ=サピエンス)との交雑の可能性を指摘した研究(Yotova et al., 2011)が報道されました。昨年、ネアンデルタール人のゲノムのドラフト配列が公表されましたが(関連記事)、この研究に加わったラブダ博士は、人間のX染色体に起源の分からないハプロタイプがあることを指摘した10年前の研究に加わっており、ネアンデルタール人のX染色体と現代人のそれとの比較の結果、現生人類のX染色体上には、ネアンデルタール人由来の領域が認められ、両者の間には交雑が認められる、と主張されました。
この研究では、現代人の居住する全大陸から得られた現代人の6092のX染色体が分析されました。その結果、ネアンデルタール人由来と推定されるX染色体上の領域は、非アフリカ系統の現代人(この場合のアフリカとは、サハラ砂漠以南のことです)にのみ認められました。そのため、この研究に加わった人々は、中東でネアンデルタール人と現生人類とが交雑したのではないか、と推測しています。この研究により、ネアンデルタール人と現生人類との間で交雑があった可能性はさらに高くなったと言えそうですが、その確定のためには、さらに他の領域での比較・検証が必要なのでしょう。
参考文献:
Yotova V. et al.(2011): An X-Linked Haplotype of Neandertal Origin Is Present Among All Non-African Populations. Molecular Biology and Evolution, 28, 7, 1957-1962.
http://dx.doi.org/10.1093/molbev/msr024
この研究では、現代人の居住する全大陸から得られた現代人の6092のX染色体が分析されました。その結果、ネアンデルタール人由来と推定されるX染色体上の領域は、非アフリカ系統の現代人(この場合のアフリカとは、サハラ砂漠以南のことです)にのみ認められました。そのため、この研究に加わった人々は、中東でネアンデルタール人と現生人類とが交雑したのではないか、と推測しています。この研究により、ネアンデルタール人と現生人類との間で交雑があった可能性はさらに高くなったと言えそうですが、その確定のためには、さらに他の領域での比較・検証が必要なのでしょう。
参考文献:
Yotova V. et al.(2011): An X-Linked Haplotype of Neandertal Origin Is Present Among All Non-African Populations. Molecular Biology and Evolution, 28, 7, 1957-1962.
http://dx.doi.org/10.1093/molbev/msr024
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