『週刊文春』に掲載された田渕久美子氏の醜聞

 『週刊文春』の今週号(6月23日号)に、田渕久美子氏の醜聞(P148~P151)が掲載されたので、購入して読みました。近年では週刊誌を購入することはめったになく、『週刊文春』を購入したのも久々ことで、21世紀になってからでは初めてのことかもしれません。田渕久美子氏の醜聞だけではなく、大河ドラマ『江~姫たちの戦国~』の主演である上野樹里氏にたいする批判記事など他の記事も読みましたが、冒頭のカラーページの「原色美女図鑑」のコーナーで、全然美女ではない芸能人が取り上げられていたことには困惑しました。上野氏にたいする批判記事は、他の雑誌でも取り上げられていたような内容で、とくに新鮮さはありませんでした。さて、本題ですが、田渕久美子氏の醜聞の見出しは、

秘書とマネージャーが大激怒「衝撃告発」!
脚本を書いたのは兄。給料未払い、パワハラ。もう泣き寝入りはしない
田渕久美子(大河ドラマ『篤姫』脚本家)と泰葉
男遊び、暴力・・・「狂気の瞬間」


となっています。以前、写真週刊誌『FLASH』に掲載された田渕久美子氏の醜聞について、このブログで取り上げましたが、
https://sicambre.seesaa.net/article/201105article_18.html
https://sicambre.seesaa.net/article/201105article_19.html
『週刊文春』の今週号の記事は、田渕久美子氏の元秘書であるA氏とB氏の証言が中心になっているなど、『FLASH』の記事の後追いとの感は否めません。それでも、新たな情報もあったので、重複する情報はできるだけ避けつつ、以下に箇条書きでまとめてみます。


●田渕久美子氏の兄である田渕高志氏は、田渕久美子氏宛に1回につき20枚ていどの原稿をファックスで送り、田渕久美子氏のファクスは家庭用で全ページがつながって出力されるので、B氏はページごとに切り取って番号をそろえて机に置いていました。田渕高志氏の送ってくる原稿は、ト書や台詞が書いてある、まさに脚本形式のものだった、とのことです。

●A氏によると、田渕久美子氏は、「シナリオ・ハンティングといって、舞台となる場所などに取材に出かけることがあるのですが、再婚する前までは、ほとんど男性が同行していました。私も同行したことがありますが、男性に関しては本当にあけっぴろげでしたね。彼女は四十歳で離婚したのですが、離婚した元の夫と別の男性の二人に挟まれて腕を組んだ写真を撮ったりもしていました。二、三日で終わるシナリオ・ハンティングでも、子供たちには『ママは仕事なのよ』と言い残して、必ず十日間くらい家をあける。一週間はショッピングや観光なんです」、とのことです。

●A氏によると、田渕久美子氏は、ふかふかのクッションに寝転がって、兄から送られてきた原稿に赤を入れるのですが、脚本1ページにつき2~3行を書き加えるだけで、疲れればそのまま寝てしまうので、朝にはテーブルの上に原稿が散乱していた、とのことです。また、田渕久美子氏がパソコンの前に座っていることはほとんどなくて、たまにパソコンに向かっているなと思ったら、カードゲームをしていた、とのことです。

●A氏によると、田渕久美子氏から外部の人に紹介されるさいは、「私設秘書」と田渕久美子氏は説明していましたが、じっさいには下女扱いで、家事を一切せず散らかし放題の田渕久美子氏の代わりに片付けていたのに、田渕久美子氏からは、「リビングは常に綺麗にしろ」とうるさく言われていたそうです。また、田渕久美子氏の子供の世話もしていたそうです。

●B氏によると、田渕久美子氏の身の回りのことをすべてやらなければならないから、朝早くから終電まで勤務し、田渕久美子氏の気に入らないことがあれば、深夜に電話で呼びつけら、数時間説教されたこともある、とのことです。また、田渕久美子氏が、当時の事務所のスタッフに、「家に戻ってきたときに、あなたがいると気分が悪い」、「洗濯物の干し方が悪い」、「存在を消して働きなさい」などと延々と叱責することも、日常茶飯事だったそうです。さらに、田渕久美子氏は金銭管理が杜撰で、生活費を元秘書たちが立て替えなければならないこともしばしばであり、貸したお金は返ってこなかったこともある、とのことです。

●A氏によると、こうした田渕久美子氏の傲慢さがさらにひどくなったのは、大河ドラマ『篤姫』の執筆が決まってからで、「私を誰だと思ってるの」と口癖のように言うようになったり、周囲のスタッフについて「あの人たちは私の家来よ!」と公言したり、携帯すら自分では取らず、「出てよ。留守電、聞いておいて。面倒な内容なら報告しないで」と秘書に命じたり、魚料理を出されれば、「骨を全部抜いてから出して」と言ったりしたそうです。

●B氏によると、スタッフの中に田渕久美子氏の親戚がおり、あるとき本名の田渕姓で名刺を作ったところ、半年ほど経ってから、「親戚と思われたくないから、同じ名字を名乗るな」と田渕久美子氏は言い、名刺を作りなおさせたことがあったそうです。

●2007年1月、田渕久美子氏のマネジメントを主な目的とするアイアン・キャンドルという会社が設立され、代表取締役に泰葉氏が就任しました。田渕久美子氏は、泰葉氏の父親である林家三平氏の半生を描いた2005年の舞台『笑われたかった男』の脚本を担当するなど、泰葉氏と親しい関係にあったそうです。泰葉氏も、元マネージャーの女性に暴言や暴力をふるっており、カード代金を立て替えさせたのに返しておらず、途中から給与を支払っていない、とのことです。

●田渕久美子氏は、『篤姫』のクレジットで原作者よりも前に自分の名前を出すようにNHKと交渉しろ、と泰葉氏に要求し、泰葉氏は断っていたのですが、田渕久美子氏があまりにもしつこいので、仕方なくNHKに頼みに行ったそうです。このことから両者の関係は悪化していき、2007年11月に田渕久美子氏はアイアン・キャンドルとの契約を解消し、泰葉氏との交流も途絶えたそうです。

●『笑われたかった男』の関係者によると、プロットは田渕久美子氏ではなく、他の人が書いており、それを知った泰葉氏が田渕久美子氏に激怒していたそうです。またA氏によると、プロットだけではなく、脚本も兄の田渕高志氏が執筆しており、当時、田渕久美子氏から脚本を手渡されて、「兄が書いたんだけど、Aちゃん読んでみて」と言われたそうです。これは、『FLASH』の、田渕久美子氏が落語の脚本を書いたことがあり、才能があるなあとB氏が思っていたら、「こんなの私が書けるわけないでしょ。兄貴よ兄貴」と田渕久美子氏が言った、との記事と符合しそうです。

●泰葉氏に取材したところ、泰葉氏は、『笑われたかった男』のプロットを執筆したのが田渕久美子氏ではないことを聞かされると動揺し、そのようなことはまったく知らなかった、と答えたそうです。また、泰葉氏の所属事務所は取材にたいして、泰葉氏がスタッフに暴行を加えたことはないが、給与の未払いについては調べてみないと返答できない、と述べたそうです。

●田渕久美子氏は取材にたいして、大河ドラマの脚本執筆にまつわる疑惑については、次のように返答しました。大河ドラマでゴーストライターが許されるはずはありません。兄は歴史に詳しいので、脚本執筆のさいに、資料や人物について協力してもらっていますが、年表だけではドラマは作れません。人間ドラマを作っていくのが脚本家の仕事です。

●次に田渕久美子氏は、『笑われたかった男』にまつわる疑惑について、プロットは自分が書いたと思うが、もしかしたら他の仕事でものすごく忙しく、兄に手伝ってもらったことはあったかもしれないものの、我々からすれば「プロットごとき」と言うか、企画書につける粗筋なので、誰かが書いていたとしても、そんなに重要視するべきものではない、と返答しました。

●田渕久美子氏は私生活にまつわる醜聞について、子供の世話をお願いしていたことはあったものの、生活費を立て替えてもらっているなんてことはあり得ず、自分はそれほどお金のない生活をしたことはないし、暴言に関してもあり得ない、と返答しました。

●ただ、田渕久美子氏は、『篤姫』のクレジットの順番については、原作者よりも先に表示するように要求したことを認め、その理由として、『篤姫』は創作した部分があまりにも多く、どれだけ薄い原作でも、原作の方が脚本より優先されるというやり方に納得できない部分があった、と返答しました。

●また、田渕久美子氏は、親戚のスタッフに旧姓を名乗るようにお願いしたのも事実だと認め、田渕を名乗るスタッフがいると、業務上、混乱しやすく、彼女が親戚だと名乗ることで、仕事相手に気を遣わせてしまうということもあった、と説明しました。

●田渕久美子氏は最後に、「こういうことを引きよせたのは私自身だと思いますので、それは私の不徳の致すところなのだろうなとは思います。ただ、ここまで悪しざまに言われるのは悲しいです」、と述べたそうです。


 以上、『週刊文春』の今週号の記事について箇条書きでまとめてみました。正直なところ、どこまで信用してよいか、判断のつきかねる記事なのですが、『篤姫』と『江~姫たちの戦国~』との比較や、ネット・テレビなどの各種メディアでの田渕久美子氏の言動から考えると、納得のできる話が多いな、というのが率直な感想です。『FLASH』に続いて『週刊文春』でもこのような記事が掲載されたということは、大河ドラマ『江~姫たちの戦国~』の視聴率が期待外れだということもあり、関連本で儲けようとの思惑が外れた出版業界が、安心して田渕久美子氏批判を始めた、という側面もあるのかもしれません。

 田渕久美子氏の脚本家としての問題点は、その人間性が脚本に悪影響を及ぼしているように思えることで、おそらく私も含めて多くの視聴者が感じているのでしょうが、勝手気ままな江や、最高権力者である秀吉が低姿勢で求愛した茶々は、著者の人間性・願望が投影された存在なのでしょう。信長の姪という出自と、私も含めて多くの視聴者には理解できないだろう天分?とにより、やたらと周囲の人から持ち上げられ、最高権力者相手にも横暴な振る舞いを続けても許され続ける江は、まさに著者の分身なのでしょう。

 また、秀吉と茶々との不必要なまでに長い恋愛劇や、たびたびの「ホルモンドバドバ」との発言から考えると、『週刊文春』の今週号の記事の一部に納得してしまいますし、男性からちやほやされる自分という、願望・あるべき自己像が茶々に色濃く投影されているのだろう、と思います。姉の茶々と妹の江に挟まれた次女の初は、二人を持ち上げるための道化役であり、なんとも安っぽい設定だなあ、と思うのですが、邪推すると、若手女優で上野樹里氏との共演もあり、汚れ役もこなす水川あさみ氏を初に起用することが内定した後に、初の人物像が決められたのかもしれません。

 この邪推が妥当なのか否か分かりませんが、いずれにしても、人物造形が安直すぎますし、それが脚本のつまらなさ・不快さに直結しているとともに、脚本家の人間性に多分に起因しているところが、大きな問題なのだと思います。『FLASH』の記事から窺えるように、田渕高志氏が病気療養中などで脚本の執筆が難しいようならば、『江~姫たちの戦国~』が今後面白くなることは期待しにくいでしょう。期待外れの視聴率でもう田渕久美子氏に遠慮することはないでしょうから、NHK側が脚本に大幅な手直しを入れるべきではなかろうか、と思うのですが、これは部外者の勝手な願望で、じっさいには難しいのかもしれません。

この記事へのコメント

みら
2011年06月17日 10:59
こんにちわ


文春思わず買っちゃおうかと思いました、全くびっくりしますねー。
ここまで周囲に憎まれる原因は金銭トラブルなんでしょうが、同じ女性の秘書からみて「最低のおんな」と思えるから衝撃告白しちゃったんでしょうね。

しかし劉さんの分析どおり、浅井三姉妹はそれぞれ部分的にホルモンドバドバさんの自己投影なのでしょうね。そんな気がします。
この人、自伝書いたほうが売れるんじゃない?

うーん、しかしここまでひどいスキャンダルなら脚本家途中降板ですね。続きは名の無い脚本家に書いてもらってスターを作ればいいのでは?

出版業界も古い体質の名残りなのか、一人のカリスマ性によってたかって・・って、このご時世に無理があることをわかってないのも悪循環なのかしら。
戦略以前に作品内容で勝負してほしいです。

樹里ちゃんの出世作になる予定が・・かわいそうに。
2011年06月17日 23:35
まあ、報道がどこまで事実なのか、断定は難しいのですが、脚本がつまらないという評価は揺るがないだろう、と思います。

そもそも、脚本が面白ければ、メジャー週刊誌が取り上げることもなかったのかな、とも思います。
shugoro
2011年06月23日 20:48
はじめまして。『江』の大河ドラマ分析があまりにもすばらしいので、
毎回楽しく読ませてもらっています。
今回の記事にトラバ貼らせていただきました。
自分も同意見で、別のペンネームでは「阿斗」を名乗っています。
2011年06月23日 21:29
shugoroさん、はじめまして。今後ともよろしくお願い申し仕上げます。

色々と批判の多い今年の大河ドラマですが、大河ドラマに期待している人がそれだけ多い、ということでもあるのだろう、と思います。

批判もされなくなったら、終わりでしょう。

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