『ＪＩＮ－仁－』は放送時期に恵まれたのか

　現時点で、『ＪＩＮ－仁－』第二部（完結編）は第５回まで放送されています。第４回の放送終了後、公式サイトを閲覧したらネタバレを読んでしまったので、『ＪＩＮ－仁－』のように謎解き要素の強いドラマについては、事前に情報を得ないほうがよいな、と改めて思ったものです。本題からそれますが、『ＪＩＮ－仁－』の場合は、気をつけていればネタバレは避けられるものの、現在放送中の朝の連続テレビ小説『おひさま』は、語りでネタバレがあるので避けようがなく、なんとも困ったものだなあ、と思います。今のところ『おひさま』はなかなかの良作だと思うのですが、現代の場面とネタバレのある語りが難点だなあ、と思います。

　さて、本題ですが、『ＪＩＮ－仁－』第一部（もちろん、放送当時は第一部と題されてはいませんでしたが）の放送が始まったのは、大河ドラマ『天地人』の放送中のことで、第二部の放送は『江～姫たちの戦国～』が放送中のこととなります。放送時間帯でいうと、『ＪＩＮ－仁－』は大河ドラマの地上波放送が終了して１５分後に放送が始まります。『ＪＩＮ－仁－』では現代の場面も描かれますが、基本的には幕末が舞台となり、時代劇に分類している人が多いでしょうから、大河ドラマと『ＪＩＮ－仁－』の視聴者は、かなり重なっているのではないか、と思います。

　つまり、『ＪＩＮ－仁－』の評判はかなり高いように思われるのですが、それは、大河ドラマ史上でも最下位を争うくらい出来の悪い『天地人』と『江～姫たちの戦国～』を視聴した直後に、『ＪＩＮ－仁－』を視聴する人が多いから、相対的に『ＪＩＮ－仁－』の出来がよく見える、という錯覚も多分にあるのではないだろうか、ということです。確かに、『ＪＩＮ－仁－』は単独でもなかなかの出来の連続ドラマだとは思いますが、少々くどいところもありますし、大絶賛するほどの内容かというと、第５回まで視聴した時点では、そこまではないだろうな、と思います。ただ、近年の大河ドラマと比較すると、『風林火山』ほどではないにしても、上位の出来と言えるのではないか、とも思います。近年の大河ドラマの低迷（視聴率ではなく、内容という意味で）が、『ＪＩＮ－仁－』の評価を相対的に高めているのだとしたら、なんとも残念ではあります。