『太陽にほえろ!』20話「そして、愛は終った」9
沢田研二氏がゲストということで、たいへん話題になった回です。当時の沢田氏は、一時期の木村拓哉氏の如き地位にあり、テレビドラマに出演するとたいへんな話題になったと聞いたことがありますが、どうなのでしょうか。私は生まれて間もない頃だったので、その頃の雰囲気となるとよく分かりません。話は、沢田氏の演じる、ある秘密を守るために殺人を犯した青年と、マカロニとの交流と悲劇的な結末を描いたものですが、その秘密が、『太陽にほえろ!』には珍しく、性が絡んだものとなっています。
『太陽にほえろ!』は、金曜日午後8時代という放送時間帯を考慮して、プロデューサーの意向により、性的な内容を含む話は作らないという方針だったそうですが、この20話は例外となっています(他にも何話か例外がありますが)。沢田氏の演じる青年は叔母と恋愛関係にあり、肉体関係を結んだのですが、それを家政婦の老女に目撃され、その老女が家政婦を辞めた後も脅迫され、老女に金を払い続けていました。青年はその秘密を守るために老女を殺害し、青年とマカロニとの偶然の出会いにより、早くから青年が容疑者だと判明しますが、警察にはその動機が分かりません。青年は人質をとって逃げようとしてマカロニに射殺され、マカロニは後悔して泣き喚きますが、このときの演技は見物です。マカロニ刑事を演じるこの頃の萩原健一氏はお世辞にも演技が上手いとは言えませんが、それでも存在感というか華というか、人を惹きつけるところがあり、名優ではないにしても、スター俳優の資格はじゅうぶんあると言えるでしょう。
最後に、射殺して落ち込んでいるマカロニをボスが訪ねて励ますのですが、ここで青年の動機が明らかにされます。ただ、ボスの台詞はさらっとしたものですので、それ以前にも近親相姦を示唆する描写はあるものの、小学生以下だと、けっきょく最後まで犯行の動機が分からなかったかもしれません。『太陽にほえろ!』は青春ドラマとしての性格が濃く、若者向けといわれることも多いのですが、今回は大人向けの話といえ、青春ものだけではなく、サスペンス・コメディ・ヒューマンストーリーなど、複合的な性格であることが、『太陽にほえろ!』のドラマとしての総合的な面白さを形成しているように思われます。
『太陽にほえろ!』は、金曜日午後8時代という放送時間帯を考慮して、プロデューサーの意向により、性的な内容を含む話は作らないという方針だったそうですが、この20話は例外となっています(他にも何話か例外がありますが)。沢田氏の演じる青年は叔母と恋愛関係にあり、肉体関係を結んだのですが、それを家政婦の老女に目撃され、その老女が家政婦を辞めた後も脅迫され、老女に金を払い続けていました。青年はその秘密を守るために老女を殺害し、青年とマカロニとの偶然の出会いにより、早くから青年が容疑者だと判明しますが、警察にはその動機が分かりません。青年は人質をとって逃げようとしてマカロニに射殺され、マカロニは後悔して泣き喚きますが、このときの演技は見物です。マカロニ刑事を演じるこの頃の萩原健一氏はお世辞にも演技が上手いとは言えませんが、それでも存在感というか華というか、人を惹きつけるところがあり、名優ではないにしても、スター俳優の資格はじゅうぶんあると言えるでしょう。
最後に、射殺して落ち込んでいるマカロニをボスが訪ねて励ますのですが、ここで青年の動機が明らかにされます。ただ、ボスの台詞はさらっとしたものですので、それ以前にも近親相姦を示唆する描写はあるものの、小学生以下だと、けっきょく最後まで犯行の動機が分からなかったかもしれません。『太陽にほえろ!』は青春ドラマとしての性格が濃く、若者向けといわれることも多いのですが、今回は大人向けの話といえ、青春ものだけではなく、サスペンス・コメディ・ヒューマンストーリーなど、複合的な性格であることが、『太陽にほえろ!』のドラマとしての総合的な面白さを形成しているように思われます。
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