大河ドラマ『江~姫たちの戦国~』第2回「父の仇」

 浅井家滅亡後、市とその娘の茶々・初・江の三姉妹は信長の弟の信包に引き取られました。穏やかな日々を送っていた四人ですが、信長から完成した安土城へと招待され、安土城に赴き、信長や織田の重臣団や家康と会います。安土城ではじめて、江は伯父の信長が父の長政の仇であることを知ります。この後、市・三姉妹間のぶつかり合いや、江と信長の二人だけの会話や、市と茶々・初も加わったやり取りが展開されるのですが、まずいと思うのは、市・三姉妹の四人の間のやり取りが学芸会になりかけていたことで、信長が加わっても学芸会的な雰囲気が見られました。信長と市は序盤で退場するのでしょうが、これでは、この先が思いやられます。

 このこととも関連するのですが、主人公の江を演じる上野樹里氏の演技が、馬鹿っぽいというか幼いところも、視聴する気力を削いでしまいます。もっとも、江は数え年でも七歳なのですから、この時点ではあえて子供らしい雰囲気を出そうとしているのであり、母になる後半では、また違った演技・演出になるのだろう、という期待はできるでしょう。現時点では、少なからぬ人が懸念したであろう「のだめ演技」に見えるかもしれませんが、後半になれば変わってくるでしょうし、上野氏にはそれができるだけの力量がある、と私は期待しています。ただ、今回気になったのは、江が秀吉に信長のところへ連れて行け、と命じるときには、大人のような貫録を見せていたことで、演出が首尾一貫していないと、違和感が大きくなるのではないか、と思います。

 このことと関連するのですが、演じている方には失礼ながら、配役の時点で予想できたとはいえ、秀吉があまりにも軽い人物として扱われているのが、残念でなりません。この頃の秀吉は、すでに日本最大の勢力の織田家でも有数の重臣のはずで、このような軽い扱いを受ける人物とは思えないのですが。信長が、相も変わらず、無神論者的な近代を先取りした人物とでもいうような、戦後日本における通俗的見解に基づいて描かれているのも残念ではありますが、秀吉の軽さも含めて、ドラマ上の人物造形としては仕方のないところかな、とも思います。正直なところ、盛り上がりに欠けますし、学芸会的雰囲気も見られるのですが、今後面白くなりそうな予感もありますので、しばらくは見続けるつもりです。

この記事へのコメント

イリヤのファン
2011年01月17日 08:57
すみません、大河の感想を書こうとして、一個下の記事にコメントをつけてしまいました。
みら
2011年01月18日 20:30
こんばんわ

そう・・そのとおりです「のだめ演技」になっていますね。それに馬鹿っぽいです(笑)でも、7歳ですか~だったら仕方がないのかな?子役で演じる年齢ですねー。信長に恋するかな?なんか全体的にかなーり無理が・・。
篤姫もスタート時はゆるーい雰囲気だったので、今回もゆるゆるでしょうね。イライラしないだけいいですかね。
私も見続けますが・・日曜日が待ち遠しいとは思わなくなりました。

来年を楽しみにしたいと思います(笑)長いっ
2011年01月18日 20:50
とりあえず、北ノ庄落城までは見続ける予定なのですが、まだブルーレイディスクにはダビングしていません。

江の演技は、今後変わってくれると信じています。
みら
2011年01月22日 21:07
こんばんわ

上野樹里ちゃんは、自分自身がどっぷり『江』になりきってしまわないとだめなんでしょうね。
私的には、彼女の代表先は『のだめ』なんだけど、今後はこれが代表作といわるるんでしょうから頑張ってもらいたいものです。
7歳の役だと、あと10年くらい経たないとハマれないでしょうね。

江戸博のチケットあるんだけどどうしようかな・・行くと図録買っちゃうから帰り重いし(笑)隣の国技館のほうが今場所は面白そうで、琴欧洲も頑張ってますね~。今日はどうなったんだろ?

やっと『ニコライ二世の日記』を借りることが出来ました、気分的にはちょっと遅すぎる(笑)
2011年01月23日 20:57
江については、もう少し様子を見ていこう、と考えています。

ニコライ二世の日記は、私もいつか読んでみようと思うのですが、購入して未読の本もあるので、そちらを優先していこう、と考えています。

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