スペシャルドラマ『坂の上の雲』第9回「広瀬、死す」

 今回は第2部の最終回であり、今回から第3部の最終回である第13回まで5回にわたって日露戦争が描かれることになります。通常の大河ドラマならば10回分に相当するわけで、日露戦争を詳しく描くにはこれでも不足しているでしょうが、製作費用も考えると、これが限界に近いといったところでしょうか。前々回にて子規は亡くなったのですが、オープニングでは、好古・真之兄弟とともに、相変わらず子規も主役の一人として登場しています。第3部でも同様のオープニングとなるのでしょうか。

 今回は、日本海軍の旅順港閉塞作戦を中心に話が進みましたから、真之と広瀬の二人が主人公といった感があります。日本海軍の奇襲作戦における日本海軍側の緊迫感とロシア海軍側の油断とが対照的に描かれたことに始まり、閉塞作戦をめぐる指揮官・参謀の苦悩、さらには閉塞作戦の具体的描写と、一瞬たりとも見逃せない場面の連続で、第8回までもじゅうぶんに面白かったのですが、この第9回はこれまででもっとも濃密な描写になったのではないか、と思います。律と真之夫人との会話のように、余分な描写もなかったわけではありませんが、90分弱の間集中して見ることができました。

 物語としても、いよいよ日露戦争が始まり、たいへん盛り上がってきたところだけに、次回の放送まで1年近く待たねばならないのがなんとも残念です。予算の問題もあるので、連続して放送するのが難しいところはあるのかもしれませんが、このような放送形態が視聴率低迷の一因になっているのかな、とも思います。しかし、それは今さら言っても仕方のないことですし、第2部までの出来からして、第3部もひじょうに期待できそうなので、ともかく、これから1年近く楽しみに待つことにします。

この記事へのコメント

みら
2010年12月20日 07:33
おはようございます。

来年までに御前会議に列席中の誰かが実際に亡くなったりするとか・・・ありそうな気がするのですが。途中出演者の入れ替えとかおこらないことを願いたいです。・・・昨日8回を見て、ふとそう思いました。
みなさん随分と高齢で、一年フル出演では体力的に持ちそうもないし、かといって来年不慮でお亡くなりになる方も多そうで・・・。しかし豪華メンバーですね。

 最前線の軍人が血気盛んなのはどこの国でも同じなんですね、ニコライの決断のタイムラグは・・なんだか終戦の玉音テープを思い出しまた。

そしてロシア革命の事実・・。色々な説がありそうです。

そうそう、真之の奥様も結構今回はかわいらしい人で意外に好感が持てましたよ。
律さんと仲良くなっていくんですね、女性は我慢強く、したたかです(笑)。

阿部寛は鎧より軍服のが似合います、今回の役は素敵です。
2010年12月20日 22:45
確か撮影はもう終了しているので、出演者の変更はないでしょう。

気になるのは加藤剛氏で、他の要人役の方よりも老けて見えるのが心配です。
みら
2010年12月21日 09:38
おはようございます。

第3部の撮影も終了してるのですか?安心しました。
確かに加藤剛さんは、老けましたよね~、将門のイメージがあるのでなおさら感じます。
他の方が若そうで顔ぷっくりしてるのはしわ取りだから、加藤さんは整形をあまりしてないって事かもしれませんね。実年齢のままだとあんな感じなのかも・・・。

昨日、『遊郭をみる』下川㐬耿史 筑摩書房 という本を借りてきました。明治期の遊郭は名所として写真はがきが売り出されていたらしく、それから辿る全国の遊郭の一部が載っている本でした。
この時代、佐世保のような軍事基地付近が繁栄したようです。
今年の初版本なのです、近代の資料は近年個人像の秘文や資料が日の目をみてるのかもしれませんね。
2010年12月21日 20:50
将門役でずっと見慣れていたので、余計に老けて見えるというところはあるかもしれません。

軍事基地には人が集まりますから、今も昔も経済効果はあるでしょうね。
みら
2010年12月27日 00:41
無益な戦争は、人の人生を台無しにしてしまう,何て 嫌な時代なんでしょ、明治って。
こんばんわ、無益で無謀な戦略の犠牲になった、人びとが、あまりにも悲しく、ニコライも、猿呼ばわりする小心者でいやな皇帝として描かれ
ていましたが…先日予約した本が、いまだ入手出来ないために,実像も掴めないまま、今回はだだ戦局をみていただけでした。
2010年12月27日 23:53
原作はニコライ2世にかなり厳しかったと記憶しているのですが、この作品では近年の研究成果も取り入れられているようです。

第3部は、司馬作品では酷評される傾向にある乃木がどう描かれるのか、注目しています。
みら
2010年12月28日 00:29
こんばんわ、
乃木希典( ̄▽ ̄
最初から,酷評されそうな雰囲気でてましたからね。
奥様は、綺麗な方ですけど~真野響子。
ところで、劉さん、今後は大河ドラマ自粛されますの?
来年の「お江」は見ないんですか?

i podでコメント書くと、二重のカギかっこがどれかわからない~f^_^;) でも、顔文字がたくさんあるから楽しい。
2010年12月28日 22:46
私は上野樹里氏の女優としての力量を高く評価しているので、来年の大河ドラマは見る予定です。

同じ脚本家による『篤姫』はなかなか面白いので、戦国時代の雰囲気を上手く表現できるかどうかはともかく、話自体はまずまず期待できそうです。
みら
2010年12月29日 00:35
こんばんわ
『篤姫』は、大奥が舞台で歴史事実場面も少なかったから、『お江』もかなり普通の戦国時代劇からそれた話になるでしょうね。
最近…戦国は,食傷気味なのです~が,飽きもありますが、樹里ちゃんの袴姿はかなりカワイイので、私も楽しみです。
初回が今回9日で、遅いんです~よね、近江か京都へ行こうかと予定してましたが、やめておこうヾ(@⌒ー⌒@)ノ
今回京都が舞台なので、建仁寺、高台寺のツアーもカナリ増えてます。
御開帳もあり、新春から賑わいそうなんだけど。

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  • さらば誇り高き武人 ~坂の上の雲・広瀬、死す~

    Excerpt: 轟く砲音(つつおと)、飛来る弾丸(だんがん)。 荒波洗ふ デッキの上に、 闇を貫く 中佐の叫び。 「杉野は何処(いずこ)、杉野は居ずや」。 船内隈なく 尋ぬる三度(みたび)、 呼べど答へず、..... Weblog: 早乙女乱子とSPIRITのありふれた日常 racked: 2010-12-26 23:09