好きな戦国武将

 ニッカンスポーツには隔週で「日本史なんでもランキング」が掲載されているそうで、第2回のテーマは「好きな戦国武将」だったのですが、総投票数は1370票で、1位は169票の織田信長、2位は153票の真田「幸村」、3位は149票の伊達政宗、4位は136票の上杉謙信、5位は120票の武田信玄とのことで、信長の1位は、やはり近年の信長人気が本物なのだな、とも思わせるのですが、意外と票が割れているようにも思われ、戦国時代自体が人気だということでもあるのでしょう。
http://www.nikkansports.com/general/news/p-gn-tp0-20101104-698244.html

 戦後になって信長の人気はかなり上がったように思うのですが、その最大の要因は、敗戦による精神的打撃を癒してくれる英傑を歴史上に見出したい、という戦後の日本人の願望にあったのではないか、と私は考えています。つまり、敗戦によっていっそう強固となった欧米への劣等感を払拭してくれるような英雄を待望する感情が根底にあったものと思われます。敗戦によっていっそう強固となった欧米への劣等感を一言で表すと、欧米にたいする日本の後進性ということになりますが、それをもう少し具体的にみると、根強い「封建遺制」・技術の後進性・近代(欧米)文化への理解の低さ(低水準の達成度)、となります。信長は、日本においてもこうした後進性を超越した近代的・先進的・独創的英雄がいてほしい、との日本人の願望が投影され、過大評価されるにいたった歴史的人物だと思います。

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  • 思い出に残る大河ドラマ1位は独眼竜政宗

    Excerpt: ニッカンスポーツには隔週で「日本史なんでもランキング」が掲載されており、以前にもこのブログでその第2回を取り上げたことがありますが、 http://sicambre.at.webry.info/201.. Weblog: 雑記帳 racked: 2010-12-17 00:00