気候により異なる性決定機構
ある種の胎生トカゲでは、生息場所の気候が著しく異なる場合、性決定機構も異なることを明らかにした研究(Pen et al., 2010)が公表されました。脊椎動物のうち、我々人間などは遺伝的に性別が決まりますが、亀などは、母亀の産卵後から20~40日後くらいの、まだ孵化前の期間における卵の周囲の温度により性別が決まります。つまり、脊椎動物の性決定は遺伝だけではなく温度によることもあるわけですが、亀をペットとして飼う人はそれなりの割合でいますから、これはわりとよく知られていることかもしれません。
この研究においては、ある種の胎生トカゲでは、生息場所の気候が著しく異なる場合には性決定機構も異なっており、低地では温度、高地では遺伝子型が性決定に用いられていることが明らかにされています。これはなかなか面白い研究で、一般に高地は平地よりも気温が低いので、低地から高地まで分布している種の場合、温度による性決定のみだと性別が一方に偏ってしまいますから、緯度により性決定機構が異なっているのは、適応的と言えるでしょう。
参考文献:
Pen I. et al.(2010): Climate-driven population divergence in sex-determining systems. Nature, 468, 436-438.
http://dx.doi.org/10.1038/nature09512
この研究においては、ある種の胎生トカゲでは、生息場所の気候が著しく異なる場合には性決定機構も異なっており、低地では温度、高地では遺伝子型が性決定に用いられていることが明らかにされています。これはなかなか面白い研究で、一般に高地は平地よりも気温が低いので、低地から高地まで分布している種の場合、温度による性決定のみだと性別が一方に偏ってしまいますから、緯度により性決定機構が異なっているのは、適応的と言えるでしょう。
参考文献:
Pen I. et al.(2010): Climate-driven population divergence in sex-determining systems. Nature, 468, 436-438.
http://dx.doi.org/10.1038/nature09512
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