人類最古の石器?
エチオピアのディキカで発見された、人類が石を用いてつけたと思われる傷のついた大型有蹄類の骨についての研究(McPherron et al., 2010)が報道されました。この骨には、肉を削ぐためと思われる解体痕と、骨髄を取り出すためと思われる打撃痕とが確認されました。ディキカの近くには、250万年前頃という最古級の石器が発見されたゴナ遺跡があります。この骨の年代は、アルゴン40-アルゴン39法と地質学的証拠から、340万年前頃と推定されました。この研究では、石を用いて動物を解体したのはアウストラロピテクス=アファレンシスではないか、と推測されています。
この研究は、人類による石器使用の年代を大幅に繰り上げるかもしれないという意味で、ひじょうに重要だと言え、『ネイチャー』の今週号の表紙に取り上げられたことにも納得できます。ただ、解体に用いた石そのものは発見されておらず、300万年前以前の確実な石器はまだ発見されていませんから、たんに自然の石を使用した、と考えるほうがよいかもしれません。それでも、人類による石の使用が300万年前をさかのぼることが確実になったことが判明したわけですから、ひじょうに意義深い研究だと言えるでしょう。おそらく、人類による石の使用と肉食の起源はホモ属の登場よりもはるかに古いのでしょう。そのように人類が石を利用する状況のなかで、石を加工して石器を製作することが始まったのでしょう。
参考文献:
McPherron SP. et al.(2010): Evidence for stone-tool-assisted consumption of animal tissues before 3.39 million years ago at Dikika, Ethiopia. Nature, 466, 7308, 857-860.
https://doi.org/10.1038/nature09248
この研究は、人類による石器使用の年代を大幅に繰り上げるかもしれないという意味で、ひじょうに重要だと言え、『ネイチャー』の今週号の表紙に取り上げられたことにも納得できます。ただ、解体に用いた石そのものは発見されておらず、300万年前以前の確実な石器はまだ発見されていませんから、たんに自然の石を使用した、と考えるほうがよいかもしれません。それでも、人類による石の使用が300万年前をさかのぼることが確実になったことが判明したわけですから、ひじょうに意義深い研究だと言えるでしょう。おそらく、人類による石の使用と肉食の起源はホモ属の登場よりもはるかに古いのでしょう。そのように人類が石を利用する状況のなかで、石を加工して石器を製作することが始まったのでしょう。
参考文献:
McPherron SP. et al.(2010): Evidence for stone-tool-assisted consumption of animal tissues before 3.39 million years ago at Dikika, Ethiopia. Nature, 466, 7308, 857-860.
https://doi.org/10.1038/nature09248
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