ブリテン島で78万年以上前の石器が発見される
イギリスのノーフォーク州にあるハピスバラ遺跡の河川堆積物から出土した、78万年以上前の、78個のフリント製石器についての研究(Parfitt et al., 2010)が報道されました。これまで、前期更新世の人類は北緯45度を越える地域に進出したことはなかった、と考えられてきましたが、この研究では、北緯52度(ネット上の地図で大まかな位置を確認しただけなので、少し違っているかもしれません)ハピスバラ遺跡で発見された、78万年以上前の石器が報告されています。フランス・ドイツの北部でも同時代と推定されている石器が発見されていますが、年代は確かではありません。
ハピスバラ遺跡の年代は、古地磁気学・地質学とマンモスなどの共伴した動物相から推定され、少なくとも78万年前となり、95万年前までさかのぼる可能性もあります。年代と酸素同位体ステージで推定されている気候から、更新世前期の人類は、これまでよりもずっと寒冷な気候に適応できていた可能性があります。当時、北西ヨーロッパにいた人類がどのように寒冷な気候に対応したのか、現生人類アフリカ単一起源説の代表的論者であるクリス=ストリンガー博士は、火や服の使用、待避所のようなものを利用した可能性を指摘しています。
またストリンガー博士は、ハピスバラ遺跡にいた人類は、あるていどの期間以上の居住ではなく、狩猟や死肉漁りのためにハピスバラ遺跡を訪れた可能性も指摘しています。ハピスバラ遺跡では人骨が発見されておらず、ハピスバラ遺跡の石器の担い手は不明ですが、ホモ=アンテセソールではないか、とストリンガー博士は推測しています。このハピスバラ遺跡は、初期ホモ属の出アフリカ後の拡散についても、重要な示唆を与えるものではないか、とこの研究では指摘されています。
参考文献:
Parfitt SA. et al.(2010): Early Pleistocene human occupation at the edge of the boreal zone in northwest Europe. Nature, 466, 229-233.
http://dx.doi.org/10.1038/nature09117
ハピスバラ遺跡の年代は、古地磁気学・地質学とマンモスなどの共伴した動物相から推定され、少なくとも78万年前となり、95万年前までさかのぼる可能性もあります。年代と酸素同位体ステージで推定されている気候から、更新世前期の人類は、これまでよりもずっと寒冷な気候に適応できていた可能性があります。当時、北西ヨーロッパにいた人類がどのように寒冷な気候に対応したのか、現生人類アフリカ単一起源説の代表的論者であるクリス=ストリンガー博士は、火や服の使用、待避所のようなものを利用した可能性を指摘しています。
またストリンガー博士は、ハピスバラ遺跡にいた人類は、あるていどの期間以上の居住ではなく、狩猟や死肉漁りのためにハピスバラ遺跡を訪れた可能性も指摘しています。ハピスバラ遺跡では人骨が発見されておらず、ハピスバラ遺跡の石器の担い手は不明ですが、ホモ=アンテセソールではないか、とストリンガー博士は推測しています。このハピスバラ遺跡は、初期ホモ属の出アフリカ後の拡散についても、重要な示唆を与えるものではないか、とこの研究では指摘されています。
参考文献:
Parfitt SA. et al.(2010): Early Pleistocene human occupation at the edge of the boreal zone in northwest Europe. Nature, 466, 229-233.
http://dx.doi.org/10.1038/nature09117
この記事へのコメント
すっかり見落としていました。
一日の発掘作業が終わった後、休息し、ストレスを発散するために、酒を飲むなど各現場で色々と工夫しているのだろうなあ、とふと思いました。
私は酒を飲めないので、酒を飲んでもストレス発散にはなりませんが。