「発見!ラミダス猿人~440万年前の“人類”~」
今月10日にNHKのBSハイビジョン『フロンティア』で放送された、2009年にアメリカで制作された番組です。『ナショナルジオグラフィック』の2010年7月号の特集「人類の系譜」
https://sicambre.seesaa.net/article/201007article_16.html
と同じく、2009年度の『サイエンス』の科学的ブレークスルートップ10の1位に選ばれた、
https://sicambre.seesaa.net/article/200912article_22.html
アルディピテクス=ラミダスの全身骨格の発掘成功とその分析に基づいています。
日本でこのような科学番組が制作されると、専門外の芸能人をスタジオに呼んでくだらない会話をさせるという、愚劣な演出になることがしばしばあるのですが、この番組は、ラミダスの発掘・研究に携わった人々の証言を中心として、発掘地の風景やラミダスとその当時の風景の復元CGを放送するという、科学番組としては正統的な作りになっており、この点だけでも素晴らしいと思います。もっとも、これこそあるべき科学番組の構成であり、日本のテレビ局の制作する科学番組が余計な演出をしているだけ、ということでもあります。BSハイビジョンということで画質もよく、この点でも評価が高くなります。
肝心の内容も、ラミダスがどのように発掘され、研究されてきたのか、ということを一般層にも分かりやすく説明できていましたし、ラミダス発見の意義にもしっかりと触れられており、ひじょうによかったのではないか、と思います。ラミダスが生活していた古環境の復元から、直立二足歩行がサバンナではなく森林環境で進化した可能性が高いことや、ラミダスにはナックル歩行をしていた痕跡が見当たらず、人類とチンパンジーとの共通祖先を、現代のチンパンジーと似た形態と考えてきた見解を訂正しなければいけない可能性が出てきたことにも、しっかりと時間が割かれて言及されており、ラミダスの発見とその研究がいかに重要なものであったか、よく分かる構成になっていました。とくに、ナックル歩行の問題は、直立二足歩行や人類の進化というか、類人猿の進化についても見直しを迫る重要なものと言えそうです。
https://sicambre.seesaa.net/article/201007article_16.html
と同じく、2009年度の『サイエンス』の科学的ブレークスルートップ10の1位に選ばれた、
https://sicambre.seesaa.net/article/200912article_22.html
アルディピテクス=ラミダスの全身骨格の発掘成功とその分析に基づいています。
日本でこのような科学番組が制作されると、専門外の芸能人をスタジオに呼んでくだらない会話をさせるという、愚劣な演出になることがしばしばあるのですが、この番組は、ラミダスの発掘・研究に携わった人々の証言を中心として、発掘地の風景やラミダスとその当時の風景の復元CGを放送するという、科学番組としては正統的な作りになっており、この点だけでも素晴らしいと思います。もっとも、これこそあるべき科学番組の構成であり、日本のテレビ局の制作する科学番組が余計な演出をしているだけ、ということでもあります。BSハイビジョンということで画質もよく、この点でも評価が高くなります。
肝心の内容も、ラミダスがどのように発掘され、研究されてきたのか、ということを一般層にも分かりやすく説明できていましたし、ラミダス発見の意義にもしっかりと触れられており、ひじょうによかったのではないか、と思います。ラミダスが生活していた古環境の復元から、直立二足歩行がサバンナではなく森林環境で進化した可能性が高いことや、ラミダスにはナックル歩行をしていた痕跡が見当たらず、人類とチンパンジーとの共通祖先を、現代のチンパンジーと似た形態と考えてきた見解を訂正しなければいけない可能性が出てきたことにも、しっかりと時間が割かれて言及されており、ラミダスの発見とその研究がいかに重要なものであったか、よく分かる構成になっていました。とくに、ナックル歩行の問題は、直立二足歩行や人類の進化というか、類人猿の進化についても見直しを迫る重要なものと言えそうです。
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