大河ドラマ『龍馬伝』第28回「武市の夢」

 第二部はなかなか勢いがあって面白かったと思うのですが、前回と今回があまりにも荒唐無稽な展開となり、大失速して終わった感は否めません。ただ、半平太と以蔵の死をもって終了する第二部が、第1回よりの半平太の描き方から推測して、かなり残念な結末に終わることは、あるていど覚悟していました。しかし、それにしても、最期まで半平太は小さい人物として描かれ、ひたすら龍馬を持ち上げるための存在となった感が否めないのは、なんとも残念ではあります。龍馬の人物像も相変わらずぶれているところがありますし、映像として見るとなかなかよかった容堂についても、役者の力量に頼り切りとの印象は否めません。以蔵については、この作品でもっとも人物造形が成功したと言えそうで、(回想以外では)最後の登場となるだろう今回も、登場場面こそ短かったものの、強く印象に残りました。

 第二部はこれで終わり、次回からは第三部となります。なかなかよい感じだった第二部が、けっきょくは最後に失速してしまったことから、第三部にも不安を抱いてしまいます。ただ、第三部からは龍馬が「実績」を残していく展開が続くでしょうから、他の人物を貶めて龍馬を相対的に持ち上げる必要はさほどないはずで、第二部までよりも面白い話になるのではないか、と期待しています。色々と不満はありますが、それでもさすがに昨年の大河ドラマよりはずっと楽しめているということもありますし、とりあえず最終回まで見続けるつもりです。

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