大河ドラマ『龍馬伝』第１５回「ふたりの京」

　弥太郎の話は、役者の力量もあって相変わらず面白いのですが、作品をやや散漫にしているところもあります。弥太郎は存在感が抜群なだけに、製作者側としても使い方の難しいところでしょう。半平太は、前回からようやく存在感を示せてきました。この作品の第１部における半平太の描かれ方はひどいもので、今更言っても仕方のないことなのですが、こうした存在感を、吉田東洋の暗殺前よりも描けなかったものだろうか、とつい愚痴を繰り返したくなります。

　第２部になって岡田以蔵が丁寧に描かれるようになりましたが、以蔵役の佐藤健氏はなかなか好演していると思います。以蔵による暗殺場面は、今のところどれも泥臭いというか格好の悪いものですが、このような描写はなかなかよい、と思います。ミクロなレベルでの現実感というか生々しさをよく表現できているのが、この作品の魅力になっている、と私は考えています。