『ハイビジョン特集 世紀の大発見 謎の小型人類 ～もうひとつの“指輪物語”～』

　３月２３日分の記事で紹介した番組
https://sicambre.seesaa.net/article/201003article_23.html
が放送されましたが、映像の一部は、以前放送された『サイエンスZERO』「衝撃の発見！身長１メートル・小型人類の謎」からの流用でした。
https://sicambre.seesaa.net/article/200910article_18.html

　９０分と放送時間が長いこともあって、かなり突っ込んだ内容になるのではないか、と期待していたのですが、フロレシエンシスの石器についての問題がかなり詳しく説明され、この点では期待以上の内容でした。やはり、「高度」に見えるフロレシエンシスの石器も、定型的な生産ではないという点で現生人類の石器とは異なるようです。また、石器以外の点でも専門家による説明は分かりやすいものでしたし、フロレシエンシスの実物大の復元像やＮＨＫお得意のＣＧは見応えがありましたから、全体的にはなかなか良質な番組になっていると思います。

　やや残念だったのは、フロレシエンシスの起源を推測するうえで欠かせない、８０万年以上前のフローレス島の石器について、まったく取り上げられなかったことです。フロレシエンシスの石器と、フローレス島の８０万年以上前の石器との類似性についても解説があればよかったのに、と思います。たいへん残念だったのは、スタジオでのくだらない演出で、民放ならばともかく、ＮＨＫの科学番組でこのような演出はやめてもらいたいものです。