『ヒューマン・ジャーニー ～遥かなる人類の旅～始まりの地 アフリカ』

　ＢＳ朝日で放送されている『ＢＢＣ地球伝説』では、『ヒューマン・ジャーニー ～遥かなる人類の旅～』との題で、５回にわたって現生人類拡散の様相が描かれる、とのことです。昨日は、現生人類の出アフリカが取り上げられました。
http://www.bs-asahi.co.jp/bbc/history/hi_19_01.html

　サン族の言語と、想定される現生人類の原初の言語との類似性が示唆されていたり、計画性を「現代的行動」の要素としているものの、計画性の度合いについては触れられなかったり、ミトコンドリア＝イヴの扱いが大げさだったり、スフール人を含むレヴァントの初期現生人類集団が絶滅したと推測されたりしているなど、疑問は少なくないのですが、近年の研究成果が手堅くまとめられており、一般向けの古人類学についての映像作品としては、なかなか優れているように思います。

　今後は、第２回でアジアへの現生人類の拡散が、第３回でヨーロッパへの現生人類の拡散とネアンデルタール人との関係が、第４回でオーストラリアへの現生人類の拡散が、第５回ではアメリカ大陸への現生人類の拡散が取り上げられるとのことで、たいへん楽しみです。こうした良質な番組が、ＢＳでしか放送されないのは残念で、ＮＨＫがＮＨＫスペシャルでこうした人類史の特集を放送してくれないものだろうか、とも思います。