ヨーロッパの人類はいつから鳥を食べていたのか
中期更新世のヨーロッパにおいて、人類が鳥を食べていた証拠を報告した研究(Blasco, and Peris., 2009)が公表されました。人類による小動物の消費は、アフリカのいくつかの遺跡では鮮新世~更新世にさかのぼります。しかし、上部旧石器時代よりも前のヨーロッパにおける小動物の組織的獲得と消費については、いぜんとして議論が続いています。小動物でも、たとえば野兎の消費は、中期更新世以前のヨーロッパのいくつかの遺跡で確認されていますが、同時期の鳥の消費は、ヨーロッパでは一般的には認められていません。
しかしこの研究では、当時のイベリア半島において人類が鳥を食べていた証拠が提示されています。スペインのバレンシアにあるボロモル洞窟の第11層の年代は、海洋酸素同位体ステージ6(19~13万年前頃)と推定され、中期更新世末期~後期更新世最初期に相当します。この第11層からは、人類が食したと推定されるカモ科のハジロ類の骨が発見されました。この鳥の骨には、四肢にカットマークと人間の歯型が、先端部には焼いた痕跡が認められました。このことから、当時のイベリア半島の人類が鳥を食べていたことは確実と考えられます。この人類がどの種に属するのか、確定はしていませんが、初期ネアンデルターレンシスか末期ハイデルベルゲンシスである可能性が高そうです。当時のイベリア半島の人類は、おそらく多用な食資源を利用していたのでしょう。
参考文献:
Blasco R, and Peris JF.(2009): Middle Pleistocene bird consumption at Level XI of Bolomor Cave (Valencia, Spain). Journal of Archaeological Science, 36, 10, 2213-2223.
http://dx.doi.org/10.1016/j.jas.2009.06.006
しかしこの研究では、当時のイベリア半島において人類が鳥を食べていた証拠が提示されています。スペインのバレンシアにあるボロモル洞窟の第11層の年代は、海洋酸素同位体ステージ6(19~13万年前頃)と推定され、中期更新世末期~後期更新世最初期に相当します。この第11層からは、人類が食したと推定されるカモ科のハジロ類の骨が発見されました。この鳥の骨には、四肢にカットマークと人間の歯型が、先端部には焼いた痕跡が認められました。このことから、当時のイベリア半島の人類が鳥を食べていたことは確実と考えられます。この人類がどの種に属するのか、確定はしていませんが、初期ネアンデルターレンシスか末期ハイデルベルゲンシスである可能性が高そうです。当時のイベリア半島の人類は、おそらく多用な食資源を利用していたのでしょう。
参考文献:
Blasco R, and Peris JF.(2009): Middle Pleistocene bird consumption at Level XI of Bolomor Cave (Valencia, Spain). Journal of Archaeological Science, 36, 10, 2213-2223.
http://dx.doi.org/10.1016/j.jas.2009.06.006
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