大河ドラマ『龍馬伝』第8回「弥太郎の涙」

 弥太郎の視点で描かれるこの作品は、弥太郎が主役の龍馬以上に目立つ可能性が潜在的にかなりあるわけですが、龍馬と弥太郎を演じる役者の力量の違いもあり、これまでは主役の龍馬よりも弥太郎の存在感のほうが、私には大きく感じられたものです。弥太郎が脚本上でも実質的な主役となった今回は、弥太郎の存在感の前に龍馬がすっかりかすんでしまうのではないか、と危惧していたのですが、心配していたほどのことはありませんでした。吉田東洋の存在感は圧倒的でしたが、やりすぎかな、とも思います。しかし、それが娯楽性になっている側面もあると思います。

 弥太郎とともに、それぞれ方向性は異なるものの、龍馬とは対照的な人物として描かれている半平太も、ついに念願がかなって江戸へと修行に行くことになります。この作品の半平太は、文武両道ながらも、器の小ささが視聴者と作中のごく一部の人物にはっきりと見えてしまうという、やや気の毒な描かれ方をされているのですが、江戸での修行中、さらには土佐に帰国してから、半平太がどのように変わっていくのか、楽しみにしています。

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