大河ドラマ『龍馬伝』第7回「遥かなるヌーヨーカ」

 幕末といえども、多くの人にとって、ほとんどの日々は落ち着いた平凡なものだったのでしょうが、今回描かれたように、攘夷に沸き立つような風潮もあったでしょうから、今回の攘夷をめぐる熱い雰囲気は、現代の幕末ドラマとしては有かな、と思います。龍馬の父の八平は今回で退場となりますが、なかなかの好演で、八平にかぎらず、坂本家の人々はおおむね好演しているな、と思います。河田小龍は、変人の先駆者としてまずまずの雰囲気が出せていたように思います。

 弥太郎と半平太を、それぞれ方向性は異なるものの、ともに龍馬とは対照的な人物として描くという方針が徹底されているようで、それがこの作品の主な特徴の一つになっています。脚本・演出ともに、その特徴をあざといまでに強調しているところもありますが、それでも私がさほど陳腐さを感じずにすんでいるのは、役者の力量のためなのでしょう。その意味で、役者頼みの作りになっているところもあると言えますが、そうしたところがあってもよいだろう、とは思います。とはいえ、ほとんどすべてが役者頼みという作りになっても困りますが、この作品はその点では今のところ大丈夫だと思います。

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