マダガスカルへの哺乳類の進出

 マダガスカルへの哺乳類の進出を説明した研究(Ali, and Huber., 2010)が公表されました。マダガスカルの哺乳類の様相はアフリカのそれとは大きく異なっており、マダガスカルの哺乳類は、数千万年にわたって隔離された状態で進化したと考えられています。マダガスカルの哺乳類の祖先がどのようにマダガスカルへと到着したのかという問題をめぐっては、総合説の成立に重大な役割を果たしたジョージ=ゲイロード=シンプソンが、アフリカから漂流物に乗って海を渡るという、運任せの賭けをしてたどり着いたのだとする「一か八か仮説」を、1940年に提唱しました。

 この仮説は、マダガスカルの固有動物相がもつさまざまな「奇妙な」特徴をうまく説明できます。しかし、現在の海流はマダガスカルからアフリカに向けて流れており、これが難点とされていました。この研究では、5000万年以上前の始新世の海流が再構築され、海流はその時期にはアフリカからマダガスカルへと流れており、哺乳類が漂流物に乗って海を渡り、マダガスカルへと漂着することが可能だった、と明らかにされました。この研究は、「一か八か仮説」を補強するものと言えるでしょう。


参考文献:
Ali JR, and Huber M.(2010): Mammalian biodiversity on Madagascar controlled by ocean currents. Nature, 463, 653-656.
http://dx.doi.org/10.1038/nature08706

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