スペシャルドラマ『坂の上の雲』第2回「青雲」

 真之は海軍へと進み、子規とは袂を分かつことになります。いよいよ物語が本格的に動き始めたという感じです。今回も重厚な作りとなっていますが、喜劇的な場面も適度に入っており、歴史ドラマとしての完成度の高さはかなりのものだと思います。もちろん、ロケを多用しての美しく迫力のある映像も魅力的ですが、なんといっても、主役級4人の熱演がこの作品の完成度を高めています。やはり、主役級がしっかりと演技のできる人ばかりだと、安心して見ていられます。

 やや残念だったのは、真之が子規と袂を分かち、海軍へ進むにあたっての心理的葛藤があまり描かれなかったことです。原作ではどうだったかな、と思い出そうとしたのですが、最後に読んでから十数年以上経過しているため、けっきょく思い出せませんでした。とはいえ、原作はかなりの分量になるので、テレビドラマ化にあたっては、どこかを省略しなければならないので、仕方のないところもあるでしょう。第2回までを見たかぎりでは、過去の大河ドラマとの比較でも上位に入る傑作になりそうで、今後もかなり期待できるのではないか、と思います。

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