フロレシエンシスについての特集
“Journal of Human Evolution”の最新号(57巻5号)では、ホモ=フロレシエンシスについての特集が組まれていますが、人骨の分析・分類だけではなく、更新世のフローレス島の環境の推定・復元についての研究も掲載されています。
http://www.sciencedirect.com/science/journal/00472484/57/5
インドネシア領フローレス島のリアン=ブア洞窟で発見された更新世の人骨LB1が、ホモ=サピエンス(現生人類)とは異なる新たな人類種なのか、それとも病変の現生人類なのか、この5年ほど議論が展開されてきましたが、最近では病変現生人類説が明らかに劣勢で、この問題については、もはやほぼ決着がついたと言ってもよいでしょう。この特集でも病変現生人類説は退けられており、現在の焦点は、フロレシエンシスが人類史の系統樹にどのように位置づけられるのか、ということです。
発表当初は、ホモ=エレクトスとの類似性から、エレクトスが島嶼化により矮小化したのがフロレシエンシスだ、とされていましたが、近年では、LB1の原始的特徴が重視され、議論の余地のないホモ属(ホモ=エルガスターまたは広義のホモ=エレクトス以降)出現以前の人類(たとえば、現在はホモ=ハビリスと一括して分類されている人類)から分岐したのではないか、との見解も有力になってきています。この特集でも、そうした観点からの研究が掲載されています。この特集号の諸論文については、何回かにわたってこのブログで取り上げる予定です。
http://www.sciencedirect.com/science/journal/00472484/57/5
インドネシア領フローレス島のリアン=ブア洞窟で発見された更新世の人骨LB1が、ホモ=サピエンス(現生人類)とは異なる新たな人類種なのか、それとも病変の現生人類なのか、この5年ほど議論が展開されてきましたが、最近では病変現生人類説が明らかに劣勢で、この問題については、もはやほぼ決着がついたと言ってもよいでしょう。この特集でも病変現生人類説は退けられており、現在の焦点は、フロレシエンシスが人類史の系統樹にどのように位置づけられるのか、ということです。
発表当初は、ホモ=エレクトスとの類似性から、エレクトスが島嶼化により矮小化したのがフロレシエンシスだ、とされていましたが、近年では、LB1の原始的特徴が重視され、議論の余地のないホモ属(ホモ=エルガスターまたは広義のホモ=エレクトス以降)出現以前の人類(たとえば、現在はホモ=ハビリスと一括して分類されている人類)から分岐したのではないか、との見解も有力になってきています。この特集でも、そうした観点からの研究が掲載されています。この特集号の諸論文については、何回かにわたってこのブログで取り上げる予定です。
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