大河ドラマ『風と雲と虹と』第15回「伊予の海霧」

 伊予に上陸した海賊追捕の一団は、伊予国府の役人の出迎えを受け、将門は純友と再会します。上陸したのが海賊追捕の一団だと聞いた民人たちは不安に成ります。海賊追捕使の佐伯清辰は、伊予守の平維久と伊予介の藤原正経に、食糧・船・兵を調達するよう命じ、正経は強引に民人から兵を動員します。海賊追捕の一団は伊予国府の役人たちから歓待を受けますが、女がいない、と騒ぎ出します。純友は、ここは都ではない、と断りますが、千載がその役目を申し出ます。

 表向きは海賊追捕の一団を歓待している純友ですが、密かに配下の海賊の首領たちを集め、海賊追捕の一団を皆殺しにしようとします。純友配下の海賊の首領たちは、追捕団を海上におびき寄せて殺そうと提案しますが、伊予で強制的に徴兵された人々と将門は殺したくない、と純友は言い、首領たちも純友の指示に従って計画を立てます。将門は酒を飲んでも憂鬱で、都の貴子のことや、海賊と民人を区別できるのか、との玄明の発言が気になっていますが、賊は賊であり、殺さねばならない、と自分に言い聞かせます。

 海賊たちは純友と立てた計画にしたがって早速動き出し、維久と正経は協議しますが、二人の協議は、規則・形式に縛られている都の貴族の象徴といった感じで、滑稽さがよく出ています。純友は将門を訪ね、時が来たら自分は官位を捨てるつもりだ、と将門に言います。純友は、国の制度は腐っている、すべての民人のために国の仕組みを変えるのだ、と力説します。将門は、そもそも人を愛することこそが隔てを生むが、自分は愛する人のためにしか戦えない、と力強く純友に言います。純友はますます将門に好感をもち、なんとしても殺したくない、と思います。

 純友配下の海賊の立てた計画により、海賊追捕団は海上の中島へと誘い出されます。追捕団が中島へと向かう直前、板島で賊が騒動を起こした、との知らせが届きます。これも純友とその配下たちの計画の一環で、純友は巧みに清辰を誘導し、追捕団の主力はそのまま中島に向かい、純友は将門とともに板島へと向かうことになります。

 都にいる武蔵は、伊予に赴任した純友のことを想い、無気力になっていましたが、配下の者たちまで無気力になりそうだと思い、再び盗賊として活動することを決意します。配下の者たちとともに藤原子高の屋敷に侵入した武蔵は、屋敷に仕掛けられた罠にかかってしまいます。今回は、純友と将門が板島に向かい、武蔵が罠にかかるというところで終了です。今回は、前半の山場の一つの手前といった感じで、次回へと期待をつなぐような内容になっています。将門だけではなく、武蔵の運命も気になるところです。

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