古生物学からのウベイディヤ遺跡の年代

 動物化石から、ウベイディヤ遺跡の年代を推定した研究(Martínez-Navarro et al., 2009)が公表されました。イスラエルにあるウベイディヤ遺跡は、レヴァントにおける初期更新世の代表的遺跡であり、調査もかなり進んでいます。ウベイディヤ遺跡では、初期更新世の人類の痕跡だけではなく、動物化石も多数発見されており、人類の出アフリカの経路・時期を研究するにあたって、重要な手がかりを提示してくれています。

 この研究では、1989~1999年の発掘と、それ以前の発掘成果をまとめた刊行資料とが参照され、巨大肉食獣化石の分析と古地磁気学的研究成果から、ウベイディヤ遺跡の年代が推定されています。その結果、ウベイディヤ遺跡の年代は150~120万年前頃と推定されましたが、この年代は、じゅうらいの推定よりも10~20万年早くなります。


参考文献:
Martínez-Navarro B. et al.(2009): The large carnivores from ‘Ubeidiya (early Pleistocene, Israel): biochronological and biogeographical implications. Journal of Human Evolution, 56, 5, 514-524.
http://dx.doi.org/10.1016/j.jhevol.2009.02.004

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