大河ドラマ『風と雲と虹と』第1回「将門誕生」
露口茂氏が田原藤太(藤原秀郷)という重要な役で出演しているということもあり、これまでも気にはなっていたのですが、ネットで色々と検索してみたところ、たいへん面白そうだったので、全話視聴することにしました。事前に得た情報では、露口氏をはじめとして、西村晃・長門勇・蟹江敬三・清水紘治の各氏など私の好きな俳優が多く出演しているということもあり、配役がじつに魅力的で、たいへん楽しみです。
NHKには総集編以外のテープが保存されておらず、当時普及の始まりつつあった(本格的な普及は1980年代)家庭用ビデオで録画されたテープを補正したとのことで、画質の悪さは覚悟していたのですが、それにしても本当に画質が悪いなあ、というのが正直な感想です。とはいえ、面白そうだという期待もあり、なんとか我慢して見られる水準にはあります。
さて第1回ですが、冒頭では、祟りとして恐れられていたという側面と、関東を中心に慕われていたという将門の二面性が印象的な形で映像化されています。その後にオープニングとなりますが、第2回以降とは異なり、将門が山野を馬で駆けている映像が背景として流れます。驚いたのはこの後で、原作者の海音寺潮五郎氏の解説を中心に、将門や時代背景の説明が10分ほど続き、まるで『歴史発見』や『その時歴史が動いた』といったNHKの歴史番組のようでした。大河ドラマとしては異例の構成ではないでしょうか。
将門誕生の祝いに、将門の父方の伯父である平国香・平良兼が訪れますが、そこで、将門の父である良将と、国香・良兼との間に諍いが生じます。民人を大事に思う良将と、民人を自らの配下の領民と考える国香・良兼との対立は、その後の将門の進むべき道を示唆しているのでしょう。国香を演じる佐野浅夫氏は欲深く高慢な人物を、良兼を演じる長門勇氏は、飄々とした感じでありながら腹黒い一癖ある人物を好演していると思います。良将は、演じている小林桂樹氏の名演もあり、厳格さと優しさを併せ持つ理想の父といった感じがよく出ています。序盤での退場が残念でなりません。
少年時代の将門(小次郎)は、鎮守府将軍に任じられた良将の赴任地である陸奥に向かう途中、下野国で若き日の田原藤太と出会います。このとき、藤太は流罪が決定し、上半身を縛られた状態で馬上にあり、流罪地に赴くというところでした。藤太が不公平な裁きを下した役人と口論になり、その役人を殴り殺したために流罪になったと聞き、その境遇に同情した小次郎は、藤太に太刀を献上しようとします。この場面は、藤太が流罪になった理由と、その後の顛末も含めて、終盤の重要な伏線になっているようです。
少年時代の将門を演じたのは水野哲氏で、露口氏と水野氏の共演といえば、『太陽にほえろ!』の名作301話「銀河鉄道」を思い出しますが、「銀河鉄道」での水野氏の起用理由は、この藤太と少年時代の将門との出会いの場面での水野氏の好演にあるのだと思います。この後、しばらく藤太は出てこないようなので残念ですが、次の登場を楽しみにしています。画質が悪く、撮影・特撮技術も現在と比較してかなり見劣りしますが、話が面白く、名優たちの演技は期待通りですので、名作との評判に偽りはないようで、今後の視聴が楽しみです。
NHKには総集編以外のテープが保存されておらず、当時普及の始まりつつあった(本格的な普及は1980年代)家庭用ビデオで録画されたテープを補正したとのことで、画質の悪さは覚悟していたのですが、それにしても本当に画質が悪いなあ、というのが正直な感想です。とはいえ、面白そうだという期待もあり、なんとか我慢して見られる水準にはあります。
さて第1回ですが、冒頭では、祟りとして恐れられていたという側面と、関東を中心に慕われていたという将門の二面性が印象的な形で映像化されています。その後にオープニングとなりますが、第2回以降とは異なり、将門が山野を馬で駆けている映像が背景として流れます。驚いたのはこの後で、原作者の海音寺潮五郎氏の解説を中心に、将門や時代背景の説明が10分ほど続き、まるで『歴史発見』や『その時歴史が動いた』といったNHKの歴史番組のようでした。大河ドラマとしては異例の構成ではないでしょうか。
将門誕生の祝いに、将門の父方の伯父である平国香・平良兼が訪れますが、そこで、将門の父である良将と、国香・良兼との間に諍いが生じます。民人を大事に思う良将と、民人を自らの配下の領民と考える国香・良兼との対立は、その後の将門の進むべき道を示唆しているのでしょう。国香を演じる佐野浅夫氏は欲深く高慢な人物を、良兼を演じる長門勇氏は、飄々とした感じでありながら腹黒い一癖ある人物を好演していると思います。良将は、演じている小林桂樹氏の名演もあり、厳格さと優しさを併せ持つ理想の父といった感じがよく出ています。序盤での退場が残念でなりません。
少年時代の将門(小次郎)は、鎮守府将軍に任じられた良将の赴任地である陸奥に向かう途中、下野国で若き日の田原藤太と出会います。このとき、藤太は流罪が決定し、上半身を縛られた状態で馬上にあり、流罪地に赴くというところでした。藤太が不公平な裁きを下した役人と口論になり、その役人を殴り殺したために流罪になったと聞き、その境遇に同情した小次郎は、藤太に太刀を献上しようとします。この場面は、藤太が流罪になった理由と、その後の顛末も含めて、終盤の重要な伏線になっているようです。
少年時代の将門を演じたのは水野哲氏で、露口氏と水野氏の共演といえば、『太陽にほえろ!』の名作301話「銀河鉄道」を思い出しますが、「銀河鉄道」での水野氏の起用理由は、この藤太と少年時代の将門との出会いの場面での水野氏の好演にあるのだと思います。この後、しばらく藤太は出てこないようなので残念ですが、次の登場を楽しみにしています。画質が悪く、撮影・特撮技術も現在と比較してかなり見劣りしますが、話が面白く、名優たちの演技は期待通りですので、名作との評判に偽りはないようで、今後の視聴が楽しみです。
この記事へのコメント
とはいえ、この頃までの大河ドラマは総集編やごく一部の回しか残っていない場合がほとんどなので、全話見られるだけでも満足すべきかもしれません。
「イリヤッド」関連からお邪魔していたモノです
「イリヤッド」の考察を読ませて頂き、また深く好きになりました
やはり終り方が残念ではありましたが…
「風と雲と虹と」私が生まれた年の大河ドラマですね
そしてその主人公の名前を頂戴して33年が経ちました!!
今まで本作品を見た事は無いのですが、改めて見てみたいと思いました
敢えて避けていた所があったのですが、総集編があるのですね
今度地元で探してみます…あると良いなぁ…
またお邪魔したいと思います
『イリヤッド』は最後が残念だったので、続編を希望しているのですが、やはり難しそうです。
『風と雲と虹と』は、まだ見始めたばかりなのですが、かなり期待できそうで、今後の視聴も楽しみにしています。