衆院選結果

 昨日の衆院選の結果は、民主党308議席・自民党119議席・公明党21議席・共産党9議席・社民党7議席・国民新党3議席となり、民主党中心の政権が発足することになりました。民主党の圧勝は、民主党優勢との雰囲気のもと、勝ち馬に乗ろうと考えた人が多かったからなのでしょうが、これは、日本社会の活力の低下を示しているとも言えるでしょう。民主党中心の政権は、1993~1994年の非自民政権のように短期間で崩壊するという予想もあるでしょうが、民主党の政党としての歴史が10年以上になること、前回の衆院選での大敗後もおおむね結束してきたこと、なによりも、民主党単独で衆院において単独過半数を大きく超える議席を有していることから、1993~1994年の非自民政権よりは長くもつでしょう。

 自民党は、二大政党の一方として存続できる最低限の議席をなんとか超えたとは思いますし、このまま分裂しなければ、民主党政権の失政により4年後には政権を奪回できる可能性もあるとは思いますが、与党であることが最大の魅力である政党だっただけに、今後の見通しは暗いかもしれません。公明党は小選挙区で全敗となり、前回よりも議席を大きく減らしました。この結果はなんとも嬉しいものです。

 今回の衆院選の結果は、いわゆる小泉改革の否定でもあるのでしょうが、民主党政権になって現状よりも状況が改善されるという保証はまったくなく、それどころか情勢がさらに悪化する可能性も低くないわけで、そうしたときに現在民主党を熱心に支持している人々がどのような態度をとるのか、楽しみではあります・・・などと他人事のように論じてはいけないのでしょうが。民主党中心の政権が短期間で崩壊した場合、現在熱心な民主党支持者のなかには、「マスゴミの偏向報道」が民主党政権を潰した、と陰謀論を主張する人もいるかもしれませんが、そうした人々の希望通りに政権交代が実現したのは、「マスゴミ」とやらが自公政権に不利なように「偏向報道」をしたからだと言うべきで、そのような言説こそ「偏向している」のだと思います。

 各テレビ局は、昨日午後8時(少し前)から選挙特番を放送していましたが、NHK総合は仕方ないにしても、民放のなかには、通常の番組を放送するところがあってもよかったように思います。このような横並び意識は、現在のマスコミの主要な問題点の一つと言えるでしょう。あのテレビ東京までもが、選挙特番を放送したのは残念でした。国政選挙のときの特番は、毎回NHKを見てきたのですが、昨日は、長野翼さんが出演していたフジテレビの特番と、赤江珠緒さんが出演していたテレビ朝日の特番も見ました。

この記事へのコメント

2009年08月31日 09:06
おはようございます。
たしかに民主党が政権を取っても現状が良くなる見込みはないと思います。
しかしどちらかを選ばなければ、変人扱いされるような世の中はちかいのかもしれません。
2009年08月31日 23:58
二大政党制が必ずしも現在の日本に適しているとは思わないのですが、マスコミの長期にわたる誘導的な報道もありますし、この流れはしばらく続くかもしれません。

いわゆる55年体制よりも性質が悪いのではないか、とも思います。

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    Excerpt: これは10月27日分の記事として掲載しておきます。議席・得票数が確定したので、今回の衆院選について取り上げます。各党の確定議席数は以下の通りで、()は公示前の議席数です。 Weblog: 雑記帳 racked: 2017-10-25 09:45