アウストラロピテクス属の肉食?
アウストラロピテクス=アフリカヌスの肉食について論じた研究(D'Anastasio et al., 2009)が公表されました。南アフリカのスタークフォンテイン遺跡で発見されたアウストラロピテクス=アフリカヌス(Stw431)人骨に変形性脊椎症が認められことは以前から指摘されており、それは外傷のためだと推測されていました。しかしこの研究では、変形性脊椎症に見えるのは、伝染性の病気ブルセラ症の最初の段階による病理学的変化ではないか、と指摘されています。
さらにこの研究では、ブルセラ症の感染源が牛などの動物であり、その肉を食べることにより感染することが多いため、280~240万年前頃の人類による肉食の証拠になるのではないか、とも指摘されています。もっとも、このアフリカヌスがブルセラ症に感染していたとしても、肉食による感染かどうかまでは不明なので、肉食の証拠としては弱いと思います。とはいえ、なかなか興味深い研究であることも間違いなく、今後、このような観点からの古人骨の分析が期待されます。
参考文献:
D'Anastasio R, Zipfel B, Moggi-Cecchi J, Stanyon R, Capasso L (2009) Possible Brucellosis in an Early Hominin Skeleton from Sterkfontein, South Africa. PLoS ONE 4(7): e6439.
http://dx.doi.org/10.1371/journal.pone.0006439
さらにこの研究では、ブルセラ症の感染源が牛などの動物であり、その肉を食べることにより感染することが多いため、280~240万年前頃の人類による肉食の証拠になるのではないか、とも指摘されています。もっとも、このアフリカヌスがブルセラ症に感染していたとしても、肉食による感染かどうかまでは不明なので、肉食の証拠としては弱いと思います。とはいえ、なかなか興味深い研究であることも間違いなく、今後、このような観点からの古人骨の分析が期待されます。
参考文献:
D'Anastasio R, Zipfel B, Moggi-Cecchi J, Stanyon R, Capasso L (2009) Possible Brucellosis in an Early Hominin Skeleton from Sterkfontein, South Africa. PLoS ONE 4(7): e6439.
http://dx.doi.org/10.1371/journal.pone.0006439
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