周口店遺跡の再発掘始まる

 第二次大戦前にエレクトスの骨が発見されたことで有名な北京市の周口店遺跡で、6月24日から大規模な発掘調査が始まった、と報道されました。第二次大戦後では初の本格的な発掘調査になるとのことですが、周口店遺跡が発掘された当時と比較すると、発掘・管理・保存・分析技術がかなり向上しているだけに、発掘成果が大いに期待されます。

 周口店のエレクトスは日本では北京原人と表記されることが多いのですが、中国では北京人または北京猿人と表記されているようです。現在では、人類の起源地はアフリカにあるという見解が通説となっていますが、第二次大戦前には、北京やジャワで古人骨が発見されていたことから、アジアを人類の起源地とする見解も有力でした。なお、発見当時、周口店の古人骨はシナントロプス=ペキネンシスと分類されていましたが、20世紀半ばの総合説の成立後は、ジャワの古人骨などとまとめられてホモ=エレクトスと分類されました。

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