台風と地震の関係
台風と地震の関係についての研究(Liu et al., 2009)が報道されました。この研究によると、大気圧の季節変動が微小地震活動を調節していることが明らかになりました。台湾東部で観測されたデータによると、台風が引き金となり、継続時間が分から秒ではなく、時間から分にわたる地震現象である「ゆっくり地震」が起きることがある、と分かりました。数値モデルでは、台風にともなって気圧が低下すると、高い応力がかかっていて破壊条件に近い断層がごくわずか緩む、と示唆されています。
台湾東部は圧縮変形が極めて大きく、大地震は少ない地域です。この地域では、応力のかかった地域が、「ゆっくり地震」が繰り返し起きることによって分割され、長く連続した地震破壊が必要な大地震の発生が抑えられている可能性がある、とのことです。気候・地質条件の関係する複雑で長期観察を要する事象なだけに、すぐには全貌の解明は難しいでしょうが、興味深い研究結果です。台風も地震も多い日本列島ではどうなのか、日本人の私としては気になるところです。
参考文献:
Liu C. et al.(2009): Slow earthquakes triggered by typhoons. Nature, 459, 833-836.
http://dx.doi.org/10.1038/nature08042
台湾東部は圧縮変形が極めて大きく、大地震は少ない地域です。この地域では、応力のかかった地域が、「ゆっくり地震」が繰り返し起きることによって分割され、長く連続した地震破壊が必要な大地震の発生が抑えられている可能性がある、とのことです。気候・地質条件の関係する複雑で長期観察を要する事象なだけに、すぐには全貌の解明は難しいでしょうが、興味深い研究結果です。台風も地震も多い日本列島ではどうなのか、日本人の私としては気になるところです。
参考文献:
Liu C. et al.(2009): Slow earthquakes triggered by typhoons. Nature, 459, 833-836.
http://dx.doi.org/10.1038/nature08042
この記事へのコメント