木村茂光『日本中世の歴史1 中世社会の成り立ち』(吉川弘文館、2009年)
『日本中世の歴史』の刊行が始まりました。この第1巻は『日本中世の歴史』の総論といった感じで、中世社会が概観されています。武士・百姓・信仰と寺社勢力・イエ・都市・一揆など、中世社会の各特徴が成立過程から論じられていますが、総論という性格上、やや物足りなさの残るところもあります。しかし、それは第2巻以降で補っていけばよいのでしょう。
中世後期になって大名領国制の展開にともなって城下町という新しい都市も成立した。越前朝倉氏一乗谷、安芸毛利氏の山口などでは、早くも15世紀後半から家臣団の城下町集住が開始されたという(P152~153)との箇所は、安芸毛利氏ではなく、大内氏の間違いだと思われますが、このようにやや校正不足と思われる記述があるのは残念ですが、全体的には、中世社会の特徴がそれほど過不足なく論じられていて、なかなかの出来だと思います。2巻以降も楽しみです。
中世後期になって大名領国制の展開にともなって城下町という新しい都市も成立した。越前朝倉氏一乗谷、安芸毛利氏の山口などでは、早くも15世紀後半から家臣団の城下町集住が開始されたという(P152~153)との箇所は、安芸毛利氏ではなく、大内氏の間違いだと思われますが、このようにやや校正不足と思われる記述があるのは残念ですが、全体的には、中世社会の特徴がそれほど過不足なく論じられていて、なかなかの出来だと思います。2巻以降も楽しみです。
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