大河ドラマ『天地人』第20回「秀吉の罠」

 一昨日放送分の感想です。前回は本能寺の変の直後、山崎の戦いあたりで終わったのですが、今回はそれから一気に3年経過し、秀吉の関白就任後、上杉と秀吉との交渉が描かれました。豊臣政権期の政治史に詳しいわけではないので、断言はできませんが、この3年間の上杉と秀吉との関係も色々と描きようがあり、兼続の活躍を創作する余地が多分にあるように思われます。原作もそうなっているのかもしれませんが、この3年間を省略したのは失敗だったように思います。

 秀吉は、冷徹な権力者としての側面と、人身掌握に長けた陽気な天下人という側面が描かれていました。軽すぎるようにも思うのですが、そのような人物設定の秀吉を、笹野高史さんは名優らしく上手く演じていたように思われます。秀吉は初登場時には年齢的にかなり無理があると思いましたが、今回は違和感がありませんでした。冒頭のお船と初音との会話は、美人女優同士の演技でなかなか華があり、女優陣だけは『風林火山』より上だと改めて思ったものです。兼続と三成は親友との設定のようですが、現時点では三成の兼続にたいする印象はよくありません。今後両者の関係の変化がどのように描かれるのか、注目しています。

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック