湯浅邦弘『諸子百家』
中公新書の1冊として、中央公論新社より2009年に刊行されました。諸子百家の思想について、20世紀後半以降に出土した文献資料に基づき、見直しが提言されています。全体として、諸子百家の各思想が、その時代にあって突出したものではなく、思想史的な流れの中から生じたものだ、ということが主張されています。とくに孟子の思想について、出土文献に基づいてじゅうらいの通説を見直す必要のあることが強調されています。
これは、ある意味では常識的な見解であって、とくに目新しいものとは言えないかもしれません。しかし、それを具体的な証拠で論証することこそ学問と言うべきでしょう。中国における開発が進み、今後も新たな文献資料が出土する可能性が高いなか、諸子百家の思想を含む春秋戦国時代~秦漢期の研究は、大変ではあるけれどもやりがいのあるものだろうな、と思います。諸子百家の出現した歴史的背景についての解説が弱いのが難点ですが、全体的に考えるとなかなかの良書だと思います。
これは、ある意味では常識的な見解であって、とくに目新しいものとは言えないかもしれません。しかし、それを具体的な証拠で論証することこそ学問と言うべきでしょう。中国における開発が進み、今後も新たな文献資料が出土する可能性が高いなか、諸子百家の思想を含む春秋戦国時代~秦漢期の研究は、大変ではあるけれどもやりがいのあるものだろうな、と思います。諸子百家の出現した歴史的背景についての解説が弱いのが難点ですが、全体的に考えるとなかなかの良書だと思います。
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