アフリカ南部における初期アシュール文化の年代
アフリカ南部における初期アシューリアン(アシュール文化)の年代を検証した研究(Gibbon et al., 2009)が公表されました。この研究では、南アフリカで発見された、粗礫と砂との結合した層に分布する初期アシューリアン石器の堆積層の年代が、最近開発されたアルミニウム26・ベリリウム10法により測定されました。その結果は、189±19万年前頃から134±22万年前頃となり、粗礫と砂との累重は157±22万年前頃に起きた、と推定されました。これは、アフリカ南部における初期アシューリアンの確かな年代としては最初のものとなり、意義深いと言えます。アシューリアンは、かなり早い段階で、アフリカ東部だけではなくアフリカ南部にも普及していたと考えられます。
ただ、アフリカでは急速に普及したアシューリアンは、西アジアまでは普及したのに、いわゆるモヴィウス線の東側ではほとんど発見されていません。この理由としては、アフリカから離れた地に進出する過程で技術が失われた、アシューリアンを確立していない段階で出アフリカを果たした人類がモヴィウス線の東に進出した、モヴィウス線の東側では石器よりも植物性の素材(竹など)が重要な役割を担っていた、などが考えられます。
参考文献:
Gibbon RJ. et al.(2009): Early Acheulean technology in the Rietputs Formation, South Africa, dated with cosmogenic nuclides. Journal of Human Evolution, 55, 4, 627-638.
http://dx.doi.org/10.1016/j.jhevol.2008.09.006
ただ、アフリカでは急速に普及したアシューリアンは、西アジアまでは普及したのに、いわゆるモヴィウス線の東側ではほとんど発見されていません。この理由としては、アフリカから離れた地に進出する過程で技術が失われた、アシューリアンを確立していない段階で出アフリカを果たした人類がモヴィウス線の東に進出した、モヴィウス線の東側では石器よりも植物性の素材(竹など)が重要な役割を担っていた、などが考えられます。
参考文献:
Gibbon RJ. et al.(2009): Early Acheulean technology in the Rietputs Formation, South Africa, dated with cosmogenic nuclides. Journal of Human Evolution, 55, 4, 627-638.
http://dx.doi.org/10.1016/j.jhevol.2008.09.006
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